ミニシンポジウム

第54回・2016年・横浜
ミニシンポジウム
ミニシンポジウム 59
総合 16: がんと生きる社会の実現
開催回
第54回・2016年・横浜

がん治療初期の医療費の集計及び疾病と患者特性に基づく医療費推計の試み

演題番号 : MS59-3

臓器別:その他

[筆頭演者]
富塚 太郎:1 
[共同演者]
板谷 崇央:3、後藤 励:1,2、岩本 桃子:1、東 尚弘:1

1:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター、2:慶應義塾大学・経営管理研究科、3:京都大学・医学部


【背景と目的】
がん診療にかかる費用は、患者の治療費負担とともに増大する医療保険財政への影響から広く関心を集めている。疾病と患者の特徴別の費用推計は、経済評価や健康関連予算の計画等に有用であるが、個票を用いた実際の臨床的内容と支払いデータに基づいた推計はほとんどない。本研究の目的は、治療初期のがん治療の費用の実際を明らかにするとともに、治療費用に影響を与える因子を実際の医療費データから定量化し、患者の特徴毎に医療費の推計を試みることである。
【方法】
直接医療費について、年齢階層と臨床病期毎に記述的に集計を行った。対象は、2013年1月1日から2013年12月31日までに、初めて子宮頸がんと診断され、2013年度院内がん登録に登録された患者10,288名。診断から30日以内に死亡した症例は除外した。費用データはDPCデータで医療機関からの請求内容(EF統合ファイル)を使用した。医療費を集計する期間は治療初期とし、診断後1年間とした。また診断後1年間の直接医療費を被説明変数として、年齢、年齢の2乗項、臨床病期、外来回数、入院回数、入院日数、化学療法の有無、外科手術の有無、腹腔鏡手術の有無、放射線治療の有無を説明変数とした推計モデルを作成した。
【結果】
子宮頸がん治療初期の直接医療費は各病期平均で0期443,041円(標準偏差448,634円)、Ⅰ期1,940,193円(同1,162,070円)、Ⅱ期2,674,357円(同1,485,263円)Ⅲ期2,901,297円(同1,272,815円)、Ⅳ期2,828,492円(同1,651,112円)であった。モデルからは子宮頸がん(Ⅰ期)の治療初期の医療費は20歳代から80歳代まで10歳刻みに順に1,777,216円、2,142,458円、2,302,924円、2,586,583円、2,548,188円、2,374,994円、2,293,012円と推計され、ほかの臨床病期の治療初期医療費推計も得た。今後、本報告の医療費推計を用いた費用効果分析等への活用が期待できると考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:医療経済