演題抄録

若手臨床腫瘍医のための技術ワークショップ

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

手術療法の医療経済学;腹腔鏡手術と開腹手術の費用対効果

演題番号 : TW1-2

[筆頭演者]
猪股 雅史:1 
[共同演者]
草野 徹:1、平塚 孝宏:1、赤木 智徳:1、上田 威貴:1、白下 英史:1、衛藤 剛:1、野口 剛:1、白石 憲男:1、北野 正剛:2

1:大分大学 消化器・小児外科学講座、2:大分大学

 

【はじめに】近年、医療経済は、医療費の適正・有効配分や、国民医療費から社会保障制度に関する政策・立法などに関わる「マクロ経済学」と、医療の質の保持と医療経費の適切性(費用対効果)や個々の医療技術の効果による経済的評価(費用対便益)に関する「ミクロ経済学」との両面から発達してきた。今回、手術療法の医療経済学について、低侵襲性手術として普及してきた腹腔鏡手術を標準治療である開腹手術と比較し、費用対効果を明らかにする。【手術療法】結腸癌に対する腹腔鏡手術と開腹手術において、手術点数・機材点数・機材費による手術費用および麻酔費用などの手術に関わる費用、また入院中の薬剤・食事・入院料などの入院費を調べ比較した(保険点数は2008年改定値)。【費用対効果】開腹手術vs腹腔鏡手術;<手術点数10倍> 327,000 vs 417,000、<機材点数10倍>100,000 vs 130,000、<機材費(定価)>106,000 vs 252,800、<手術費用>321,000 vs 294,200。腹腔鏡手術は開腹手術と比較し、保険点数による手術料や機材料による収入が上昇したものの、ディスポーサブルなどの機材納入費の支出から病院の利益が少ない。一方、術後在院日数の短縮や創関連合併症率の低下によって入院費の抑制を示した。【結語】腹腔鏡手術は開腹手術と比べ、手術費用は高いが入院費用が抑制される。手術療法の医療経済学は、退院後の早期社会復帰による経済効果なども含めて費用対効果、費用対便益について、患者、医療施設、国家の広い視点に立った評価が必要であろう。

前へ戻る