演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

データマネジメントの現状と各種臨床試験の今後の姿

演題番号 : S9-5

[筆頭演者]
一木 龍彦:1 

1:イーピーエス株式会社

 

 臨床試験・臨床研究の重要性が更に高まる中、しかし、より煩雑になる日々の診療や業務の中で「質(Quolity)」を保持しながら臨床試験を推進するには様々な組織が重要な役割を担うようになる。「研究部門」「第三者監視部門」「支援部隊・データセンター」の充実は試験推進に欠かせない役割を担っており、質を保持する大きな柱になっている。
 最終データの信頼性は「試験の実施体制」「試験を実施する体制の管理・監視」「データマネジメント」の大きな3本柱で支えられている。臨床試験の結果の正確さは、その試験が実施されたプロセスの保証の上に成り立っている。臨床試験データの源・源流である実施体制はデータの正確性は欠落を防ぐ上で必須であり、しかも何年間にも渡る場合には更なる充実が必要である。また、実施体制の管理・監視は、時間軸の中でその時々の管理・監視を適確に行う為に必要な要素である。この管理・監視体制により実施されている臨床試験の正当性を示す事が可能になる。そしてDMにより科学性・倫理性を確保し得られた結果の保証を行っている。3つの大きな柱に支えられて、臨床試験は保証された結果を導き出し、実施の医療に貢献することが出来ると考えられる。
 がんの臨床試験の場合には更に大きな課題がある。それは多くの施設が参加する他施設共同試験であり、長い観察期間を必要とする試験が多いということである。
 N・SAS-BC01試験「腋窩リンパ節転移陰性hight-risk乳癌症例を対象としたUFTとCMFに関する術後化学療法無作為化比較試験:National Surgical Adjuvant Study Breast Cancer 01 Trail」は1995年に試験がデザインされ最初のプロトコールが作成されて、2009年にJournal of Clinical Oncologyに掲載された。実に15年間を要している。10年以上のフォローを実現して、個々の担当者、医者、患者さんの異動に伴う不明率を最小限にするためには、組織としてのデータマネジメントが継続されて行く必要性がある。

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