演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がんチーム医療における薬剤師の役割

演題番号 : S8-3

[筆頭演者]
飯原 大稔:1 

1:岐阜大医病 薬剤部

 

近年、新規抗がん剤やがん化学療法レジメンの開発、さらには副作用対策としての支持療法の充実により、がん治療は入院治療から外来治療へと大きくシフトしている。しかし、高度・専門化するがん化学療法は、医師への大きな負担となっており、医師のみで対応することは非常に困難である。そのため、がん治療に対する専門的知識ならびに技能を有する医師、看護師、薬剤師、その他の医療スタッフとのチーム医療を推進する必要がある。岐阜大学病院ではがん専門薬剤師を含む薬剤師3名が外来化学療法室に常駐し、全患者に対する患者面談や服薬指導を中心とした業務を展開している。最近では、患者が来院して採血後、診察までの待ち時間を利用した「診察前患者面談」を導入し、副作用モニタリングや処方提案を積極的に行っている。診察前面談で得られた副作用発現状況(グレード標記)や薬剤師が実施した指導内容、症状及び副作用に対する処方提案内容については薬剤師がカルテに直接記載を行っている。医師は診察時に薬剤師がカルテに記載した内容を確認し、診察・診断と薬剤師からの提案に基づき必要な薬剤を処方する。この薬剤師からの提案を医師が採択した割合は95%であった。また、全患者にお薬手帳を所持してもらい、そこに化学療法レジメン内容、臨床検査値、副作用発現状況、支持療法内容等を記載し、開局薬局や、かかりつけ医との情報共有を行っている。処方提案については、制吐対策、皮膚障害対策、末梢神経障害対策といった副作用対策に関する内容が多く、提案の有効性を評価した結果、制吐率の向上、皮膚障害(ざ瘡様皮疹)や末梢神経障害の発現率の低下もしくは重篤化の軽減に繋がっていることが明らかになり、処方提案内容が妥当であることが確認された。したがって、薬剤師が、がん化学療法チームに参画することにより、患者のQOL改善や医療安全の向上し、さらには、副作用の軽減もしくは重篤化の予防は化学療法の完遂率の向上にも繋がり、結果的には、治療成績(延命)の向上に反映されることが期待される。

前へ戻る