演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドラインについて

演題番号 : S7-6

[筆頭演者]
花輪 正明:1 

1:日本製薬工業協会 医薬品評価委員会

 

がん領域においては、医療技術、医薬品・医療機器等は近年著しい進歩を遂げ、多くの患者さんを救うために役立っている。十分な治療法もなく死亡率の高かったがん疾病に対する治療薬、開腹せずにできる内視鏡による手術等、従来の治療と比べて格段に有用性を示す医療技術、医薬品等が産学連携により創出されてきた。こうした患者&医療ニーズに応える医療技術、新薬などの創出はアカデミア等の臨床研究だけでできるものではなく、逆に製薬企業などだけで出来るものでもない。産学連携により初めてなし得ることとなる。がん領域の研究成果をがん患者さんへの医療の向上のために社会に還元することは重要である。また、政府の科学技術基本計画においても「医療イノベーション5か年戦略」の中で臨床研究から新しい医療技術、新薬開発等に結びつけることを推進している。しかし産学連携が深まれば深まるほど、医療関係者が特定の企業・製品に深く関与する場面が生じることもあり、それにより医療関係者の判断に何らかの影響を及ぼしているのではないかとの懸念を持たれる可能性も否定できない。産学連携による利益相反状態は必然的に発生するがこの利益相反状態が悪いのではなく、悪いのは利益相反状態からの弊害、つまり利益相反であり、これをいかに回避するかが重要となる。そのためには産学共に利益相反マメネジメントが重要となる。日本医学会は利益相反ガイドラインを作成するとともに傘下の医学会毎に利益相反マメネジメントの指針作成を促しているが、がん治療学会ではそれ以前からCOI指針を作成して利益相反マメネジメンが行われている。また各医療機関においても利益相反委員会の設置が進み利益相反マネジメントが進展している。特に製薬企業は生命関連産業として国民の生命、健康に大きく関わることから、産学連携による産業界としての利益相反マネジメントが重要であり他の産業以上に透明性の確保が求められている。このような現状、さらには国際情勢を踏まえ、日本製薬工業協会は「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドラインについて」を作成し加盟各社に各社のCOI指針の作成を促し利益相反マネジメントを適切に行うこととした。本シンポジウムでは利益相反状態からの弊害の代表事例をお話した上で、学会、医療機関、産業界の3者による利益相反マネジメントが必要なことを述べると共に日本製薬工業教会の対応についてお話しする。

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