演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん研究の出版倫理とIJCOにおけるマネージメント

演題番号 : S7-5

[筆頭演者]
小西 郁生:1 

1:京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学

 

本年5月、わが国で行われた降圧薬の大規模臨床試験結果を報告した6本の論文が利益相反Conflict of Interest (COI)問題により取り下げられたという報道が駆け巡り、全世界に大きな衝撃を与えた。これを契機として、臨床研究の透明性と出版に関する諸問題が再び大きな注目を浴びている。私たち日本癌治療学会ではCOIに関する委員会を早期から立ち上げ、2008年にはその指針を決定するとともに、Q&Aも掲載してその周知・徹底を図ってきた。この基本方針の下で、本学会の機関誌であるInternational Journal of Clinical Oncology (IJCO)の編集委員会においても、論文投稿・編集・出版におけるCOIマネージメントを策定し、実施してきている。まずは、私も含めて編集委員会委員全員およびDeputy Editorsが就任時にCOIを提出している。
IJCOへの論文投稿においては、すべてのAuthorのCOI情報がCorresponding Authorにより明示されない限り、論文の受付が完了しない。このことにより、COI開示に関してはすべてAuthorの自己責任が問われる。もしもCOIが論文内容に明らかな影響を及ぼしていると考えられる場合はDeputy Editorにより編集委員会に報告があり、議論するよう定められている。また、IJCOは3年前にimpact factor (IF)を獲得し、現在IF 1.727にまで上昇し、世界各国からの論文投稿が増加の一途をたどっている。そのような中で、ほとんど他の論文の文章を盗用しているものも増加してきており、編集委員会の業務および責任は次第に増大している状況である。日本癌治療学会学術集会開催時には、全国のReviewer会議とも連結して、科学雑誌の出版倫理に関するセミナーも開催し、その啓発に努めている。

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