演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

診療ガイドラインの利益相反管理

演題番号 : S7-4

[筆頭演者]
新保 卓郎:1 
[共同演者]
秋元 哲夫:2、岡本 好司:3、岡本 高宏:4、弦間 昭彦:5、佐藤 温:6、柴田 浩行:7、下妻 晃二郎:8、高橋 理:9、松井 邦彦:10、真弓 俊彦:11

1:国立国際医療研究センター臨床研究センター医療情報解析研究部、2:独立行政法人国立がん研究センター東病院臨床開発センター粒子医学開発分野、3:北九州市立八幡病院消化器・肝臓病センター外科、4:東京女子医科大学医学部内分泌外科/公衆衛生学II、5:日本医科大学内科学、6:弘前大学大学院医学系研究科腫瘍内科学講座、7:秋田大学大学院医学系研究科腫瘍制御医学系臨床腫瘍学講座、8:立命館大学生命科学部生命医科学科、9:公益財団法人聖ルカ・ライフサイエンス研究所臨床疫学センター、10:山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域総合診療医学分野、11:産業医科大学医学部救急医学講座

 

診療ガイドラインは日常診療に対する影響力が大きく、適切な方法で作成されなければならない。また信頼されるものでなければ利用され難い。そのためにも診療ガイドラインにおける利益相反(Conflicts of interest:COI)の管理は重要である。癌治療学会では「がん診療ガイドライン」の活動の中で多くのガイドラインを収集し公開してきた。またガイドライン評価委員会では分科会などで作成されたガイドラインの評価を2005年から継続的に実施してきた。評価はAGREE/AGREE IIに基づいて行われ、記載の充実度から6領域でスコアを計算する。この中でCOIに関してどのような管理がなされたかに関する記載も評価項目の一つである。2009年以降の評価分に関してCOI記載のあるガイドライン7件と記載のない9件で領域ごとのスコア比べてみると、作成の緻密さの領域ではスコア中央値は81.3対66.7(P=0.02)、適用可能性の領域では62.5対41.7(P<0.01)であり、COIの記載のあるガイドラインが有意に優れていた。また対象と目的、利害関係者の参加、明確さと提示のしかたの領域でも有意ではないが、COIの記載のあるガイドラインがスコアが高かった。米国のIOMでは、診療ガイドライン作成におけるCOIの問題に関して推奨を挙げている。COIのある個人の参加が避けられない場合の留意事項として、COIのない個人をメンバーとして探した過程の公開、COIのない個人が多数派になるようにする、COIのない個人を委員長(議長など)とする、COIのある個人を討論、投票、原稿作成などに参加させない、COIを公開する、などの方法を記載している。国内のがん診療以外の分野の診療ガイドラインをみてもCOIの記載は不十分である。ガイドラインが適切に作成され、信頼されるものであり日常診療に影響を及ぼすものであるためには、COIの管理とその記載が重要である。

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