演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

骨転移に対するチームアプローチにおけるリハビリテーションの役割

演題番号 : S3-4

[筆頭演者]
北原 エリ子:1 
[共同演者]
阿瀬 寛幸:1、三浦 季余美:1、長岡 正範:1,2、高木 辰哉:3、小坂 泰二郎:4、笹井 啓資:5、高橋 玄:6、坂本 一博:6、中野 真理子:7、中野 由美子:8、藤本 雄太:8

1:順天堂大 医学部附属順天堂医院 リハビリテーション室、2:順天堂大 院 リハビリテーション医学、3:順天堂大 医学部附属順天堂医院 整形外科、4:順天堂大 医学部附属順天堂医院 乳腺科、5:順天堂大 院 放射線医学、6:順天堂大 医学部附属順天堂医院 大腸肛門外科、7:順天堂大 医学部附属順天堂医院 緩和ケアセンター、8:ナースステーション東京

 

 骨転移を伴うがん患者においては、麻痺や骨折などの骨関連事象(Skeletal Related Events)に対するリスク管理と、がんの治療期間に生じる全身体力消耗状態や廃用症候群による日常生活動作(以下ADL)低下の改善が求められる。そのため、リハビリテーション(以下リハビリ)の実施には多職種チームにより迅速なリスク評価と目標設定を行い、本人・家族も含めて、共通の認識をもつことが必要となる。我々は平成23年4月から平成24年12月までに126症例(延べ202症例)を対象に、多職種による骨関連事象カンファレンス(以下SREカンファレンス)を39回行い、骨転移に対するチームアプローチにおけるリハビリの役割について検討したので報告する。 SREカンファレンスを行った症例のうち、リハビリを実施した症例は96症例(男性47名、女性49名、年齢64.0±13.0歳)であった。原発は乳癌24例、肺癌17例、泌尿器癌15例、消化器癌21例、頭頸部癌5例、他18例で、問題となった骨転移部位は脊椎48例、大腿骨8例、骨盤7例、上腕骨3例、多部位26例であった。リハビリの内容は、放射線療法中および後の骨折や神経症状増悪のリスクを配慮した運動療法・ADL指導が60件、化学療法中および後の運動療法・ADL指導7件、整形外科術後の運動療法・ADL指導6件、緩和期のQOLに対するアプローチが8件、その他15件であった。転帰は自宅退院58件、転院21件、死亡17件であった。カンファレンスにおいては、主に疼痛・骨折リスクを最小限にする動作・介助方法について動画を用いて提示し、自宅退院症例においては自宅環境評価とリスクを最小限にする環境設定について提示した。リスクを最小限にQOLを維持・改善するアプローチを実践するために、多職種が一同に会するSREカンファレンスにおいて、実際の動作・介助場面の動画を用いてADLにおけるリスク管理について共通認識できたことは有効であったと考える。今後の課題として、退院後のリハビリに関する情報提供が挙げられ、シンポジウムにおいては在宅リハビリとの連携を図った症例を紹介し、骨転移患者の入院リハビリと在宅リハビリの連携のあり方についても検討する。

前へ戻る