演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

遺伝性腫瘍問診票を用いた、遺伝性腫瘍家系の拾い上げに対する検討

演題番号 : S2-7

[筆頭演者]
西川 隆太郎:1,2 
[共同演者]
荒川 敦志:1、大瀬戸 久美子:1,2、竹下 奨:1、西川 博:1、遠藤 友美:3、吉本 信保:3、遠山 竜也:3、舟橋 整:4、佐藤 幹則:4、森 義徳:5、鈴森 伸宏:1,2、杉浦 真弓:1,2

1:名古屋市立大 産科婦人科、2:名古屋市立大 臨床遺伝医療部、3:名古屋市立大 乳腺内分泌外科、4:名古屋市立大 消化器・一般外科、5:名古屋市立大 消化器内科

 

【背景と目的】現在のがん診療における遺伝性腫瘍の重要性は日々増してきている。遺伝性腫瘍の関連がんは複数の診療科にまたがり発症するため、リスクをもつ家系を可能な限り早期に拾い上げ、関連各科においてフォローアップしてゆくことが重要と考えられる。婦人科に関係する遺伝性腫瘍の中で頻度が高いものとしては、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)症候群とLynch症候群があげられる。HBOCはその名の通り乳がんと卵巣がんの発症リスクが高くなるが、膵臓がんや前立腺がんのリスクも高くなると報告がある。Lynch症候群では大腸癌、小腸がんをはじめ、子宮体がんや卵巣がん、腎盂・尿管がんの発症リスクも高くなるとされている。このように関連科が多岐に渡るという遺伝性腫瘍の特徴を理解した上で、本人だけではなく、血縁者に至るがん罹患リスクを評価することが今、求められている。しかしその反面、一般診療におけるがん家族歴の聴取の困難さ、不確実さが、遺伝性腫瘍診療の障壁となっている事も事実である。本発表では、確実かつ効率的な拾い上げを目的とした遺伝性腫瘍問診票の効果に関して、悪性腫瘍既発症患者を対象とした遺伝性腫瘍問診票から得られた情報を基に検討した。また当院における、遺伝性腫瘍問診票を用いた遺伝性腫瘍家系の拾い上げに対する関連各科の連携の現状と今後の課題に関して論ずる。【対象と方法】対象は、婦人科においては子宮体がん・卵巣がん症例、乳腺内分泌外科においては乳がん手術症例とし、外来受診時もしくは入院中に、自己記入型の遺伝性腫瘍問診票を用いてががん家族歴の収集を行った。そしてこれらから得られた情報を、外来初診時の問診のデータと比較し、遺伝性腫瘍が疑われる症例の頻度などに関して検討を行った。【結果】婦人科における対象症例は235例、乳腺外科では29例であった。問診票から得られた情報から第3度近親者までにがん家族歴がある事がわかった症例は婦人科235例中 例151例であった。乳腺外科においては同様に、第3度近親者までにがん家族歴があることが判明した症例は19例であった。【結語】問診票を元に得られた情報を検討することにより、従来は見落とされていた可能性のある遺伝性腫瘍症例を拾い上げる事が可能となった。現状では遺伝性腫瘍について対応できる施設は限られているが、遺伝性腫瘍問診票を用いる事によりその拾い上げに関しては簡便かつ効率的に行える可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:疫学・予防

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