演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

都道府県がん診療連携拠点病院における地域乳がん診療ネットワークとその実践

演題番号 : S1-5

[筆頭演者]
佐藤 信昭:1 
[共同演者]
金子 耕司:1、神林 智寿子:1、橋本 喜文:1

1:新潟県立がんセンター 乳腺外科

 

【はじめに】限られた医療資源のもと、持続可能で良質ながん医療の均てん化のためには医療機関の役割を分担し、有効に活用する地域がん診療ネットワーク構築が必要である。がん診療拠点病院には専門的ながん医療の提供はもちろん、地域での連携体制の構築、情報提供・相談支援が求められている。乳がん診療は初期治療(がん診断、治療前診断、治療計画立案、治療介入)と経過観察、再発治療、終末期の症状緩和治療に分けられる。薬物療法ではサブタイプ別に、HER2陽性では抗HER2治療が、ホルモン感受性では内分泌療法と治療の個別化が進んでいる。新潟県の医師数は人口10万人あたり、全国230.4人に比し、191.2人と国内43番目の少なさである。今回、当院における地域乳がん診療ネットワークとして、抗HER2治療薬trastuzumab (T)治療連携(NTN)と術後経過観察の地域連携の現状を報告する。【NTN】2009年11月より医師、メデイカルスタッフを対象にHER2過剰発現の病理、外来化学療法、術後経過観察についての勉強会を開始した。連携パスは当院での化学療法とT併用療法後、T単剤(q3w)投与の9か月間とし、この間3か月毎に当院を受診、約6か月毎に心エコーの方針とした。NTNは2010年4月~2013年3月まで(同期間のHER2陽性125例中)に連携11病院で合計36例(2010年度-8例、2011年度-13例、2012年度-15例)行われた。一部の施設ではT治療、あるいは補助療法は初めてだったが、安全に施行可能であった。【術後経過観察】新潟県がん診療連携協議会のもと術後経過観察用の連携パスを作成運用している。2011年4月~2013年3月までの乳がん手術670例中421件(内訳は2011年度195件、2012年度226件)に適用している。【まとめ】勉強会を通した情報交換を重ねながらHER2陽性乳癌に対するT術後補助療法の連携が安全に可能であった。局所治療とガイドラインに準拠した標準的全身薬物療法からなる初期治療を拠点病院で行い、その後サーベイランスをかかりつけ医で行う乳がん地域連携ネットワークの導入も進んでいるが、患者さんへの啓蒙、相談支援のみならず、メデイカルスタッフへの教育、情報提供の継続が重要と考えられる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:地域連携

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