演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん地域包括ケアの理想像と次世代がん医療者リーダーの育成について

演題番号 : S1-2

[筆頭演者]
林 和彦:1 

1:東京女子医科大学 がんセンター

 

当院の位置する東京都区西部2次医療圏は、新宿区・中野区・杉並区の3区から構成される、人口約120万、人口密度17600人/km2の、典型的な都市型医療圏である。全国的にみてもこの医療圏は、がんの医療資源が極めて豊富で、3つの大学病院に代表される高度機能病院はもちろん、地域病院や在宅医、訪問看護ステーション、介護職など、地域がん医療を支える個々の医療機関の実力も高い。しかしながら、東京都では比類なき速度で高齢化が進行しており、急性期病床に比べて慢性期病床は極端に不足し、大きな社会問題となりつつある。増加する一方のがん患者に質の高い医療を提供し続けるためには、ハード面の充実とともに医療者側の意識改革を行い、在宅医療の導入など、地域包括ケアの概念を積極的に取り入れ、地域の医療資源を最大限に活用する必要がある。東京都区西部2次医療圏では、平成24年1月に3大学病院が発起人となり、2次医療圏内のがん診療施設に呼びかけて、がんコンソーシアムを設置した。この組織は、従来のような行政からのトップダウンで構成された受動的組織ではなく、現場中心の医療連携を行う能動的組織であり、すでに様々な観点からの連携活動を開始しているが、その際に不可欠な、地域医療のコーディネート能力のある医師や看護師、薬剤師など専門の医療職が極めて不足していることが、ひとつの課題であった。そこで東京女子医科大学では、平成24年度から公募された、がんプロフェッショナル養成基盤推進プランに帝京大学、杏林大学、駒澤大学と共に応募し、質・量ともに多様化する都市型がん地域医療を担うことのできる次世代のがん医療人を養成するためのプログラムを設置し、コンソーシアム推進の原動力となるリーダー教育を開始した。本シンポジウムでは、コンソーシアムやイベント開催など、区西部の連携推進事業のいくつかを紹介するとともに、がんプロフェッショナル養成基盤推進プランを通じて養成する医療者に求められる将来像についても議論して、近未来の都市型がん医療連携を行う医療者と地域のあるべき姿を探りたい。

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