演題抄録

プレナリーセッション

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

HER2陽性手術不能進行胃癌に対するDCS+Trastuzumab (DCS-T)併用化学療法の認容性試験

演題番号 : PS2-4

[筆頭演者]
佐藤 康史:1 
[共同演者]
高山 哲治:2、佐川 保:3、宮本 弘志:2、平川 昌宏:1、大沼 啓之:1、佐藤 康裕:3、高橋 康雄:3、勝木 伸一:4、奥田 敏徳:5、瀧本 理修:1、小船 雅義:1、信岡 隆幸:6、平田 公一:6、加藤 淳二:1

1:札幌医大腫瘍・血液内科、2:徳島大院消化器内科、3:北海道がんセ 消化器内科、4:小樽掖済会病院 消化器病セ、5:王子総合病院 消化器科、6:札幌医大 消化器・総合、乳腺・内分泌外科

 

[背景] 近年、S-1を中心とした化学療法の発展により手術不能胃癌の治療成績は向上しつつあるものの、化学療法単独での根治は未だ極めて困難である。我々は、切除不能な症例においても十分な奏効率が得られればadjuvant surgeryを組み込むことによって治癒を目指せる可能性があるとの考えに立ち、Docetaxel、CDDP、TS-1(DCS) 療法を開発し、多くの治癒切除例と良好なMSTが得られたことを報告してきた (BJC 2007、CCP2009、2013)。一方、HER2陽性胃癌に対するTrasutuzumabの有効性がXPレジメとの併用で報告され、乳癌と同様にタキサン系をはじめ多くの抗癌剤との併用においても良好な上乗せ効果も期待される。そこで、我々は、HER2陽性切除不能胃癌に対して更なる奏効率と治癒切除率の向上を期待しDCS療法にTrasutuzumabを併用するDCS-T療法の認容性試験を行った。[方法] 対象は、20歳から80歳のHER2陽性切除不能進行再発胃癌症例で心機能が正常である症例とした。方法はS-180mg/m2,day8にCDDP60mg/m2とDocetaxel 50mg/m2およびTrastuzumab(初回8mg/kg,2回目以降は6mg/kg)を3週毎に投与した。3コースまでの実施率の95%信頼区間の下限を80%としこれを達成できた場合をfeasibleとした。[成績] 2011年9月から14例が登録された。年齢中央値は60歳(50-71歳)で男性/女性:10/4名、PS0/1/2が8/4/2名、組織型は分化型/未分化型が11/3例、部位はU/M/L:3/3/3例、Her2は3+が11例、2+/FISH+が3例であった。T3/T4a/T4b:10/3/1例、N0/N1/N2/N3:2/0/2/10例、転移は、遠隔リンパ節/肝/腹膜/肺/骨/卵巣:10/7/3/2/1/1例であった。2臓器以上の転移巣を有するのが50% (7例)であった。3コースまでの投与完遂率は100%であった。RECISTによる抗腫瘍効果は全例PR(奏効率100%)でありPRに至ったのは中央値で1コース後であった。Grade3以上の有害事象は白血球/好中球減少は71/85%、FN 7%、食欲不振28%、下痢28%でいずれも管理可能であった。 現時点で、14例中8例において非治癒因子が消失し、2例の肝転移を含む5例でR0切除が施行された。組織学的効果はgrade 1b以上が80%であった。観察期間中央値は8.5M (2-20.7M)であるが全例生存中である。[結語] HER2陽性手術不能胃癌に対しDCS-T療法はfeasibleな治療と考えられ、極めて高い奏効率と、治癒切除率が得られたことからconversion治療を期待できる有望な治療法と考えられた。今後更なる検討を予定している。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:臨床試験

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