演題抄録

プレナリーセッション

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

遺伝性乳癌・卵巣癌症候群に対するリスク低減卵巣卵管摘出術の検討

演題番号 : PS2-3

[筆頭演者]
清水 華子:1 
[共同演者]
飯塚 千祥:1、石川 哲也:1、三村 貴志:1、宮本 真豪:1、森岡 幹:1、四元 淳子:1、九島 巳樹:2、関沢 明彦:1

1:昭和大 産婦人科、2:昭和大学病院 病院病理

 

【緒言】BRCA1・BRCA2遺伝子の病的変異が原因となる乳癌・卵巣癌を遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)と定義される。最初の乳癌が診断されてから10年以内に卵巣癌を発症する割合はBRCA1の変異で12.7%、BRCA2の変異で6.8%との報告されている。卵巣癌を早期発見することは難しく、定期的なSurveillanceによる死亡率の減少効果は示されていない。一方、予防的卵巣卵管切除には卵巣癌発症リスクを90%低減させる効果があるとされている。当院ではIRBの承認を得て、HBOCと診断された患者を対象にリスク低減卵巣卵管切除術(RRSO)を施行している。【対象】これまでに当院で認定遺伝カウンセラーのカウンセリング後に遺伝子検査を受けた乳癌もしくは卵巣癌患者は、2013年3月末日の時点で97(発端者86、家族11)例であった。そのうち、BRCA1変異症例は21例(発端者14 家族 7)、BRCA2変異症例は5例(発端者5 家族 0)、uncertain 9例(BRCA1 6・BRCA2 3)であった。BRCA1もしくはBRCA2変異が同定された症例には十分な遺伝カウンセリングを施行した。その上でRRSOを希望された症例は5例であった。RRSOを施行した5例について患者背景・手術経過・術後病理組織所見などについて報告する。当院IRBで承認された基準より、BRCA1・BRCA2変異陽性で35歳以上の挙児希望のない患者を対象に、認定遺伝カウンセラーがカウンセリングを行い、患者の自立的意志により本手術を希望した5人の女性を対象とした。【結果】HBOCと診断された患者26例のうち挙児希望がなくリスク低減手術を希望した患者は5例(BRCA1 :3例、BRCA2 :2例)であった。5例はすべて乳癌に罹患し治療中であった。手術は全例が腹腔鏡下に行なわれ、3例が両側附属器切除を、2例が単純子宮全摘を施行した。摘出卵巣卵管の全割面標本を作成し詳細な病理検索を行なったが、悪性所見は認めなかった。全例において腹水もしくは洗浄腹水を採取し細胞診検査を施行したが悪性所見は認められなかった。【結語】低侵襲な腹腔鏡下手術を選択したが全例とも安全に施行出来た。今回、摘出卵巣卵管・術中腹水細胞診に悪性所見は認めなかった。RRSOは未発症者に対する予防的手術であるため、オカルト癌検索のための詳細な標本診断が必要であるが、標本作成方法やその検索、術後のSurveillanceなどの標準化が必要であり、課題である。また、RRSOを希望しないHBOC患者に対する卵巣癌のSurveillanceについても検討する必要があると思われた。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:手術療法

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