演題抄録

プレナリーセッション

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肺腺癌新規チロシンキナーゼ融合遺伝子の探索とRET融合遺伝子のXL184第II相臨床試験

演題番号 : PS2-1

[筆頭演者]
末原 義之:1,2 
[共同演者]
Alexander Drilon:1、Maria Arcila:1、Lu Wang:1、Adnan Hasanovic:1、Raya Khanin:1、Mark Kris:1、Maureen F. Zakowski:1、Naiyer Rizvi:1、Marc Ladanyi:1

1:メモリアルスローンケタリングがんセンター、2:順天堂大学 整形外科

 

【目的】肺癌の新規治療標的開発を目的としたチロシンキナーゼ融合遺伝子スクリーニングをNanoStringシステムを用いたmRNAベーススクリーニング解析で行った。またそのスクリーニングで新規同定された肺癌RET融合遺伝子に対してチロシンキナーゼ阻害薬であるXL184 (cabozantinib)を使用した第II相臨床試験を行った。【方法】Memorial Slone Kettering Cancer Center(MSKCC) にて治療されmajor mutations のないpan-negative肺癌症例ついて検討を行った。全チロシンキナーゼ遺伝子(約90個)に対しTyrosine Kinase Domain とCoiled-Coil-Domain等が融合する可能性ある全部位の探知をNanoStringシステムと独自の特異的プローブを使用して行い、同定された融合遺伝子はRACE, RT-PCR, FISHにて検証を行った。そのスクリーニングステムで新規同定された肺癌RET融合遺伝子は、チロシンキナーゼ阻害薬XL-184を使用した第II相臨床試験(ClinicalTrials.gov number NCT01639508)として米国内の患者対象に臨床治験を開始した(2012年よりMSKCCにて)。【結果】肺腺癌67例に対して発現解析を行い、その結果 ROS1とRETにおける融合遺伝子特異的変化の同定に成功し、それぞれGOPC-ROS1融合遺伝子及びKIF5B-RET 融合遺伝子であった(Suehara Y et al. Clin Cancer Res 2012)。RET融合遺伝子については、XL184を使用した第II相臨床試験を1)非喫煙、2)pan-negative症例の進行肺腺癌患者に対して行った。登録31症例(10ヵ月間で)にRT-PCRとFISHにてRET融合遺伝子の探索を行い、5例(16%)でRET融合遺伝子の同定に成功し、現在までに3例に対してXL184を使用し2例でPR、1例でNCの奏効を認めた(Drilon A et al. Cancer Discovery 2013)。【まとめ】mRNAベースのNanoStringを用いた肺癌チロシンキナーゼ融合遺伝子のスクリーニング解析行った。Ju YS ら (Genome Res,2011)及びその他グループと同様に新規融合遺伝子KIF5B-RETの同定に成功し、また、独自に新規融合遺伝子GOPC-ROSの同定に成功した。その発見に基づいた肺癌RET融合遺伝子症例に対してのXL184を使用した第II相臨床試験を米国内で行い、XL184の奏効を認めた。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:分子標的治療

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