演題抄録

プレナリーセッション

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肝外転移並存大腸癌肝転移に対する外科治療の意義

演題番号 : PS1-4

[筆頭演者]
野尻 和典:1 
[共同演者]
田中 邦哉:1、大田 貢由:1、武田 和永:1、上田 倫夫:1、松山 隆生:1、谷口 浩一:1、熊本 宜文:1、森 隆太郎:1、中川 和也:1、藪下 泰宏:1、渡辺 一輝:1、市川 靖史:2、遠藤 格:1

1:横浜市立大学消化器・腫瘍外科 、2:横浜市立大学臨床腫瘍科

 

【目的】肝外転移並存大腸癌肝転移の切除成績・予後因子を解析し外科的切除の意義を明らかにする.【対象】1992年から2012年までの肝転移切除457例を対象とした。このうち肝外転移並存例は84例(18.4%)であり、57例(12.5%)では肝・肝外転移ともに切除し、27例(5.9%)では肝転移のみ切除した。【結果】全例(n= 457)の5年生存率は51.1%、5年無再発生存率は27.0%で、肝外転移並存84例ではそれぞれ21.0%、13.8%であった。肝外転移部位は肺44例(46.3%)、リンパ節21例(22.1%)、腹膜15例(15.8%)、原発巣局所再発7例(7.4%)、副腎3例(3.2%)、脾2例(2.1%)、骨、膀胱、ポートサイトがそれぞれ1例(1.1%)であった。1)単変量解析での肝外転移並存84例の予後因子は、肝転移個数3個以下、肝転移巣最大径50mm未満、肝切除断端陰性、肝外転移根治切除が抽出され多変量解析では肝切除断端陰性(Hazard比2.075、p= 0.02)、肝外転移根治切除(Hazard比1.67、p= 0.04)が予後規定因子であった。2)肝転移、肝外転移ともに根治切除した57例の予後因子は単変量解析では、肝転移巣最大径50mm未満、切除断端陰性、肺転移単独、総転移個数(肝及び肝外)4個以下であり、多変量解析では肺転移単独(Hazard比2.560 、p= 0.001)、総転移個数4個以下(Hazard比2.574、 p= 0.001)であった。3)肝切除のみで肝外転移非切除の27例(肝切除群)を同時期の化学療法のみ施行した肝外転移並存肝転移39例(化学療法群)と比較すると、背景因子には差がみられなかった。肝切除群の長期成績は1年生存率60.9%、3年生存率20.0%、生存期間中央値:21ヶ月と、化学療法群(それぞれ56.8%、7.2%、12ヶ月)(p= 0.08)に比較し良好であった。肝切除群の3年以上生存例では肝転移個数4個以下のものが多かった。【結語】肝外転移並存大腸癌肝転移は、肝・肝外ともに根治切除可能な症例で特に肺単独転移あるいは肝・肝外の総転移個数が4個以下のものは切除の良い適応である。一方で肝転移切除のみで肝外転移の治癒切除が困難な場合でも、化学療法単独より長期生存が期待でき、積極的に肝切除を考慮すべきと考えられた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:手術療法

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