演題抄録

プレナリーセッション

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌術前化学療法中に進行するSarcopeniaと体重減少―術後感染性合併症へ与える影響

演題番号 : PS1-1

[筆頭演者]
林 勉:1 
[共同演者]
小澤 壯治:1、蒲池 健一:1、数野 暁人:1、伊東 英輔:1、中郡 聡夫:1、貞廣 莊太郎:1、安田 聖栄:1

1:東海大学 消化器外科

 

はじめに)食道癌術前化学療法中は、狭窄や消化器毒性による経口摂取量の減少から栄養障害を伴う。さらに進行食道癌においては、癌悪液質を背景にSarcopeniaが進行し、代謝障害と体蛋白喪失を伴う栄養障害を来たすことが示唆されている。いずれも化学療法後の食道切除術において術後合併症のリスクとして懸念されるが、両者の病態が術後短期成績に与える影響は明らかではない。体重減少とSarcopeniaが術後感染性合併症発生へ与える影響を腸腰筋断面積による筋肉量の評価を用いて検討する。対象)2010年1月から2013年4月までに胸部食道癌cStageII/IIIで術前化学療法を実施後に食道切除術がなされた66例。方法)腹部CT検査で第4腰椎レベルにおける腸腰筋断面積(CSA)を測定し、化学療法前後の体重および腸腰筋断面積の減少率{(治療後値)-(治療前値)/治療前値*100%}を算出し、体重減少率(%BW)およびCSA減少率(%CSA)のcut-off値を5%として両因子および背景因子(年齢、治療開始時BMI、alb値、嚥下障害の有無、消化器毒性の有無)が術後感染性合併症(Clavien-Dindo分類Grade2以上)へ与える影響を検討した。結果)背景因子;年齢(以下中央値):66歳、alb値:4.00mg/dl、BMI;21kg/m2、嚥下障害あり/なし:17/49、消化器毒性あり/なし:38/28であった。体重減少率および腸腰筋断面積変化率の中央値は%BW:2.0%、%CSA:3.0%、であった。感染性合併症は30例(発生率45%)に発生し、感染性合併症発生をアウトカムとした単変量解析におけるodds比は年齢(70歳以上):1.737(p=0.421)、BMI(18.5以下):0.455(p=0.253)、alb(3.5以下):0.296(p=0.166)、嚥下障害あり:1.500(p=0.575)、消化器毒性:0.727(p=0.619)、%BW(5%以上):4.375(p=0.015)、%CSA(5%以上):6.045(p=0.001)で、単変量解析では%BW>5%と%CSA>5%が有意な感染性合併症発生リスク因子であった。%BWおよび%CSAを変数とした多変量解析では、それぞれodds比は%BW:3.387(p=0.049)、%CSA:5.100(p=0.004)であり、いずれも独立したリスク因子で、%CSAがより強いリスク因子であった。結論)体重減少およびSarcopeniaはいずれも感染性合併症へ影響を与えるが、Sarcopeniaがより強い影響を有する。

キーワード

臓器別:食道

手法別:手術療法

前へ戻る