演題抄録

パネルディスカッション

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

メディアからの視点

演題番号 : PD3-6

[筆頭演者]
永山 悦子:1 

1:毎日新聞社 科学環境部

 

  超高齢化時代のがん患者ケアは、国レベルでも十分に議論されていない。関係学会の診療ガイドラインも十分に対応できているとはいえない。今後、議論や検討が必要な視点を考えたい。 一つは、「若年世代の患者への治療と同じで良いのか」という点だ。一部の抗がん剤については、高齢の患者の場合は適応にならないことが多いようだ。私が取材をしたある下咽頭がん患者の家族は、患者本人が70歳代後半と高齢のため、「強い抗がん剤は使えない」との説明を受け、弱い抗がん剤を勧められた。一方、手術の成功率が90%台後半とのデータも一緒に紹介され、家族と本人は「同年配の人よりも体力があるから」と、手術を選んだという。結果として手術の予後が悪く、亡くなる結果になった。医療の結果は個別性が非常に高いものの、高齢の患者に対する情報提供として、最善の選択肢の提示方法だったといえるのか。 もう一つは、患者が高齢になれば他の疾患を合併する可能性が高まるが、現在の診療ガイドラインなどで十分には考慮されていないのではないか、という点だ。特に、認知症を合併した場合、患者自身が治療を選択したり、判断したりすることが難しくなる。家族も患者の体調の変化に気付きにくく、早期発見や治療ができず、不幸な転機をたどるケースが増えているという。 超高齢化時代における患者への情報提供のあり方、介入のタイミングと手法について、患者、医療者、社会が具体的な検討を始めることが求められる。

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