演題抄録

パネルディスカッション

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

超高齢者がん患者とその家族は何を望むか?

演題番号 : PD3-5

[筆頭演者]
天野 慎介:1 

1:一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン

 

がん対策基本法の成立と国のがん対策推進基本計画の策定により、がん診療連携拠点病院の整備と標準治療の推進や、がんの疾病や治療などに関する患者や家族への情報提供の充実などが図られてきたが、それらはいわゆる超高齢がん患者やその家族にそのままあてはまるものではなく、適切な治療や支援を受けられない場合も多い。医療情報の提供や支援に関しては、インターネット環境を通じて提供されることが前提となっている場合も多く、インターネットを活用しない超高齢者がん患者は、活用する患者と比べると得られる情報や支援に大きな格差が生じている。そもそも、超高齢がん患者では認知機能の衰えがあるにもかかわらず、多くの情報提供や患者の意思決定のあり方が、超高齢がん患者よりも若い一定の認知機能を有するがん患者を想定している場合も多い。超高齢がん患者の子や孫が家族として患者をサポートし、それらの不足を補完している場合もあるが、治療や療養に関して家族の希望が本人の希望と乖離している場合もしばしば見受けられる。治療に関しても、標準治療の推進が図られている中で、超高齢がん患者にはそれらはあてはまらず、至適な治療や支持療法の研究も必ずしも十分ではない。在宅での療養環境についても、老老介護が前提となり、家族力も期待し難い状況にあるにもかかわらず、がんの在宅医療の支援体制も必ずしも十分でない。超高齢がん患者に対する治療や支援が、一般的に想定される治療や支援とは様々な面で異なりかつ不足している中で、患者自身の希望を適切に把握し、cureのみならずcareをより志向した治療と支援のあり方を、医療者のみならず患者や家族も模索する必要があると考えられる。

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