演題抄録

パネルディスカッション

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

生きるの教室

演題番号 : PD2-5

[筆頭演者]
坂本 萌:1 

1:大谷中学校 3年

 

 今までの学校の授業では、「死」ということに、まっすぐ向き合う機会がありませんでした。友達との冗談では、「死」という言葉を軽く口に出したりもしていましが、この「生きるの教室」の授業では、大切な人が死んだらどう思うかなどを紙に書き出して、死ときちんと向き合いました。今まで、想像したこともなかったので、もし本当にそうなったら、とても悲しいことだなと思いました。しかし、人は「死」から避けることができません。だからこそ、軽々しく口にするものではないのだと授業を受けて思いました。私は、「死」とは改めて怖いものなのだと実感しました。
 私達は「生きるの教室」の授業を受ける前後に、アンケートを受けました。その結果を、インターネットで確認したところ、事前のアンケートでは、がんは怖い病気という意見がとても多くありました。私もそう答えた一人です。それは、がん=死というイメージがついてしまっているからではないかと思います。また、私は以前に、日本人の死亡率の第一位が、がんだと聞いたことがありました。海外では、あまりそうでないはずなのに、なぜだろうと不思議に思っていました。しかし、「生きるの教室」の授業で、先生の講義を聞いて、がんは、定期検診を受けて早期に発見し、生活習慣を改善すれば治る病気だということを初めて知りました。がんになってしまったら治ることはなく、そのまま家族を残して死んでいってしまう病気だと思っていたので、治る可能性があると聞いて、なんだかとても安心しました。日本人の、がんによる死亡率の多さや、がん=死というそれまでの思い込みなどは、知識の足りなさからきているのではないかとも思いました。そして、事後のアンケートでは、がんは怖い病気だという意見が、約70%から約36%に減少していました。「死」に向き合った後、授業ではがんについて教えてもらい、大切な人をがんで亡くさないために、どうすればいいかを、それぞれの班で真剣に考えました。各班、いろいろな意見が出ました。「お酒やたばこをやめさせる」や、「大切な人ががんになっても、治してあげられる医者になる」や、「食べ物を、みんなでおいしく食べる」、「帰ったら家族で、がんについて話してみる」などの意見が出ました。中には、「ベジタリアンにさせる」などのユニークな意見もありました。今の私たちにすぐに出来そうなものから、手の届きそうにないものまでたくさんの意見が出ました。さまざまな意見を交換しながら、私達はまず、大切な人をがんでなくさないために、自分達のできる範囲の事からやっていこうと決めました。
 また、この教室では、アニメを二つ見ました。母の死に直面した少年の物語の「生きるぞう~いのちの河のものがたり~」というアニメと、がんについて理解するための、「がんちゃんの冒険」という作品です。「生きるぞう」の方は、子供にも分かりやすく作ってあり、最後は、少しうるっときてしまうほど、とても感動的な内容でした。「がんちゃんの冒険」の方は、とても面白い作品で、時々笑いもおこっていました。どちらも入り込みやすく、堅苦しいものではないので私たちの年代でも、理解しやすいなと思いました。
 私は、この「生きるの教室」の授業を受けて、改めて考え直せられたことや、新しく知って、目からうろこが落ちるように感じたことがたくさんありました。また、「がん」は、早期に発見し、生活習慣を改善すれば治る病気であるのに、日本人の死亡原因の第一位が「がん」だと知るとそれは、いのちの無駄遣いだとしか思えません。そこで、ほかの人たちにも、「生きるの教室」の授業を受けてもらって、私たちのように、がんに対する知識を深め、改めて死について考えて、今の私たちにまずできそうなことから始める人が増えることで、がんによる死亡率を減らすことができればいいなと思いました。

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