演題抄録

パネルディスカッション

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

初等・中等教育分野におけるがん教育

演題番号 : PD2-4

[筆頭演者]
浦郷 究:1 

1:佐賀県武雄市教育委員会

 

 国は、「がん対策基本法」を制定し、がん対策の一層の充実と推進を図っている。また、初等中等教育についても、健康教育の中で早い年齢の時期からの「がん教育」が重要になってきている。
 現在、日本人の2人に1人が「がん」が原因で死亡しており、「がん」は国民及び健康にとって重大な問題となっている。「がん対策」の推進を図るうえにおいて、教育が果たすべき役割は非常に大きい。特に、中学生の時期からの「がん教育」は、「がん」に対する正しい基礎知識を持たせるだけでなく、生涯を通じて心身ともに健康で安全な生活態度・習慣の形成を図ることにつながる。
 武雄市では、平成21年度から毎年『がん撲滅推進市民大会』を開催しており、「がん予防日本一のまちづくり」を宣言した。平成22年度からは、東京大学医学部付属病院放射線科の中川恵一准教授に市政アドバイザーとしてご指導ご協力をいただいている。また、市民を対象にした講演会と市内の5中学校で学習会を開催し、「がん撲滅」の推進に努めてきた。中学生には『がんの秘密を知ろう』という演題で「がん」ついての知識だけでなく、「予防は、子どものころからが大切である」「規則正しい生活習慣とバランスのある食生活が大切である」「喫煙はがんの発生率を高める」ということを中心に、分かりやすくお話しいただいた。また、中川先生の学習会で学んだ中学生が、『がん撲滅推進市民大会』で意見発表を行っている。
 学習会後、中学生は次のような感想を持っている。
 ・「日本人の2人に一人はがんになっている。」「日本人のがん発症率も高くなってきている」ということを知って驚いた。
 ・肉料理より野菜をしっかり取ることが大切であることが分かった。また、たばこやお酒はがんの発生率を上げることを改めて知り、自分の親にも注意してほしいと思った。
 ・早期発見をすることにより治療して直すことができる(60%)ということを知った。また、睡眠は免疫力を高めることができ、生活習慣を改善し規則正しい生活が大切であることを学んだ。また、がんが1㎝になるのに10年かかる。それが10倍になるのに2,3年かかることを学び、改めて定期検診の大切さがわかった。
 ・「自分で選ぶ癌治療」ということを聞き、手術・科学療法・放射線治療という方法があることを知った。治療技術も進んできており、私は放射線治療を選択したいと思った。
 以上のように、講演を聞いた中学生は、改めて命の大切さを感じ、普段の生活が大切であり自分を見直す良い機会となっている。そこで、全中学校で「学校保健年間計画」の中に組み込み、武雄市として独自の指導案を作成するなどして、継続して「がん教育」の推進に努めているところである。

前へ戻る