演題抄録

パネルディスカッション

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん教育における行政の役割 ~京都府の事例から~

演題番号 : PD2-3

[筆頭演者]
古川 浩気:1 

1:京都府健康福祉部 健康対策課

 

2012年度に策定された「がん対策推進基本計画」には、がん教育が位置付けられ、2016年度までに学校での教育のあり方を含め、健康教育全体の中でがん教育をどのようにするべきか検討し、検討結果に基づく教育活動を実施することが目標に掲げられている。基本計画を受け、2013年度からスタートした各都道府県の「がん対策推進計画」でも、がん教育の推進が位置付けられた。京都府も、小・中・高等学校におけるがん教育の実施数を2017年度までに200ヶ所にすることを目標に掲げている。京都府では、目標達成のため2013年度に「生命(いのち)のがん教育推進プロジェクト事業」として、関係者によるプロジェクトチームを組織し、がん教育のためのプログラムの策定及び普及に取り組むこととしている。去る2013年6月には府医師会、都道府県がん診療連携拠点病院(大学病院)、学校医会、教育委員会(都道府県・政令市)、私立学校担当部署から構成されるプロジェクトチームを組織し、今後の取組について検討を行った。プロジェクトチームでは、他府県の事例を収集しつつ、京都府独自の教育プログラムや実施方法を検討している。実施方法は、医療従事者とがん経験者の2人1組を講師として学校に派遣することとし、その中で、医療従事者から、がんの病態や治療法等の正しい知識を、がん経験者から、体験談を通して検診の重要性や命の尊さを伝える予定である。今後は、今年度中に授業を開始する予定であり、授業を実施しながら、より普及しやすく、効果的なプログラムの策定や、親の啓発にもつながる手法を構築していきたいと考えている。がん教育をより徹底するためには、教師が教科の中でがんを扱う体制を整備することが本来必要であるが、現状では学習指導要領上の位置づけが明確でなく、また、学校現場では薬物濫用防止や性教育など取り組むべき課題が多く、行政機関(がん担当部署)の役割としては、まず教育委員会の理解と協力を得るための取組が重要になる。また、既に取組がスタートしている地域では、がん対策担当部署の主導で教材の作成や講師の調整が進んでいるケースが多く、教育機関ががん教育を実施しやすい環境整備も行政機関(がん担当部署)の役割であると考える。

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