演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

開業医と患者に安心して受け入れてもらえる大腸癌術後地域連携パスの開発と運用

演題番号 : P99-8

[筆頭演者]
早田 浩明:1 
[共同演者]
山本 宏:1、永田 松夫:1、滝口 伸浩:1、外岡 亮:1

1:千葉県がんセ 消化器外科

 

大腸癌術後症例を地域医療機関とでフォローアップを行う地域連携クリニカルパス(以下連携パス)は、癌拠点病院を中心に運用されているが地域も症例数もまだ少ない。私たちは開業医療機関とで連携パスを開発し2009年10月から70例以上の症例をフォローアップしている。運用開始から3年以上経過しこれまでに得た知見を報告する。経緯:千葉市を中心に開業されている4医院(2内科、2外科)と3病院(2拠点病院、1中核病院)とで協議会を発足し結腸癌Stage 1, 2の術後連携パスを開発し、地域医療機関と運用を開始した。現在直腸癌Stage 1, 2と結腸癌Stage3補助化学療法の連携パスも開発運用している。パスのコンセプト:大腸癌治療ガイドラインに沿ったサーベイランスを地域医療機関と連携して行い、術後5年をフォローアップすることを目的とした。連携医療機関は紹介元かつ大腸癌再発診断が可能な施設とし、診療の質を担保する。連携先とのデーターの共有は患者に渡すパスポートサイズの連携パス手帳に書き込んで行う。連携医療機関:大腸内視鏡、腹部超音波、胸部X線診断が可能な施設で専門病院へ当該症例を紹介、かつ連携パスに参加を表明した施設。得られた知見:連携パスの開発時での開業施設からの要望として1.対象は再発の危険性が少ない症例、2.同じ地域医師会施設の患者を奪い合いたくない、3.書類は最低限として欲しいなど。これまで81連携可能施設と運用し、再発症例はStage1術後1年目での肝再発1例のみで肝切除の治療を行えた。バリアンスは西日本に転居1例、脳梗塞で死亡1例以外にない。連携施設を癌と診断した紹介元に限定することで患者の不安は軽減され、連携パスを安心して受け入れられている。連携パス手帳の記載を癌診療に限定し必要最低限項目とし書類作成の負担が少なくなり、参加に慎重な施設に受け入れられ連携施設が増加してきた。大腸癌は男性に多いため手帳は、持ち運びを考えるとポケットサイズで表紙は丈夫なものが良く、手帳紛失に備え個人名を記載しないことも個人情報管理上重要である。運用には地域連携室や、連携先との定期的な意見交換も重要と思われる。連携パス症例が多くなればなるほど拠点病院を定期受診する患者数が減り、外来待ち時間は減少する傾向にあり、また術後5年のスケジュールを地域医療機関と立てることで患者が受診されずに予後追跡が不可能になる事を避けられるメリットがあると考えられる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:地域連携

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