演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

一般高等教育課程における系統講義としてのがん教育の実践

演題番号 : P99-5

[筆頭演者]
儀賀 理暁:1 
[共同演者]
立神 粧子:2、春川 正子:3、小峰 和美:3、布谷 玲子:3、大矢 浩之:3、高橋 健夫:3、杉山 亜斗:4、井上 慶明:4、青木 耕平:4、福田 祐樹:4、泉 陽太郎:4、中山 光男:4

1:埼玉医科大学総合医療センター 呼吸器外科・緩和ケア推進室、2:フェリス女学院大 音楽学部、3:埼玉医科大学総合医療センター 緩和ケアチーム、4:埼玉医科大学総合医療センター 呼吸器外科

 

背景:近年、義務あるいは高等教育課程におけるがん教育が着目され、がん対策推進基本計画の中では「学校での教育のあり方を含め、健康教育全体の中でがん教育をどのようにするべきか検討し、検討結果に基づく教育活動の実施を目標とする。」と述べられている。しかし、学習指導要領や医療従事者の教育者としての資質の問題により教育と医療の2領域にまたがる活動は困難で、現状では一部の地方自治体や公益法人によって予防を主眼とした特別授業が試行されているに過ぎない。筆者は、2006年より中学生(2回/年)と音大生(1回/年)を対象とした特別授業枠のがん教育を継続し、これに加えて2011年から緩和ケアを中心としたがん教育を一般大学の系統講義として実践している。目的:小論文の内容を集約し、本講義の意義を検討する事。対象と方法:対象は、講義履修者。講義は、1回90分で15回/年、内容は、生命倫理、自己表現、喪失体験、緩和ケア概論、がんと告知の問題、がんと心の問題、音楽療法総論、コミュニケーション技法・実技など。定期試験または授業レポートとして、「自分らしく生きる事と死に逝く事」について小論文を回収。検討にあたり個人を特定し得ない様に配慮。結果:履修登録者は、57・70・52名(2011・2012・2013年:人数制限あり)。単位取得者は53・64名(2011・2012年)、2013年は現在講義中。平均出席率は82.5%。正確な集約は難しいが、生きることの意義を人との関係性に見出した、夢や希望の存在に見出した、命の大切さを認識した、生かされているという事に気付いた、今を一生懸命生きたい、感謝を感じた、など。その他の個別な感想として、「死に絶対的な定義はないため、死はその人らしさを表しているのだと思う。」、「ただ生きている。自分の体が動いて感情がある。そのごく日常的で誰もがわかっていることを定義づけ、言葉で表すとこんなに複雑で答えがでないものなのか。」、「あの瞬間は生きていることを本当に実感しました。そして自分の命に真正面から向き合っていました。」、「真のこころのケアとは、何をするかではなく、相手に合わせることにあるのではと思いました。」など。 考察:本講義は、がんとその予防の単なる解説にとどまらず、緩和ケアを起点に生きる事そのものへの考察を深める機会を提供し得た。がん教育は教育と医療の協働モデルとなるが、普遍化のためには両者の相互理解が不可欠である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:その他

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