演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

高血圧・糖尿病を有するがん患者に化学療法が及ぼす影響に関する検討

演題番号 : P98-8

[筆頭演者]
中込 英理子:1 
[共同演者]
内田 さやか:1、横山 智央:2、青田 泰雄:2、木下 仁淑:3、齋藤 哲也:3、坂井 暢子:2、榎本 正統:4、逢坂 由昭:4、櫻井 道雄:2

1:総合病院 厚生中央病院 初期研修医、2:総合病院 厚生中央病院 総合内科、3:総合病院 厚生中央病院 薬剤部、4:総合病院 厚生中央病院 消化器外科

 

【目的】高齢化社会の到来とともにがん患者はさらに増加すると考えられており,また高血圧や糖尿病などの生活習慣病を有する高齢者も増加傾向にある.一方,抗がん薬の制吐作用としてのステロイド薬投与や新規抗がん薬の登場によって,これら生活習慣病はさらに増悪する可能性がある.しかしながら,その現状・対応については十分に検討されておらず,今回我々は生活習慣病を有するがん患者の現状および制吐薬・新規抗がん薬による影響について検討を行った.【対象・方法】2012年1月から12月末までの1年間に当院にて化学療法を施行したがん患者135名について,糖尿病および高血圧症の有無および化学療法による生活習慣病の増悪状況について後方視的に検討を行った.【結果】化学療法を施行した135名のうち,治療前より高血圧を合併していた患者は43名(31.9%),糖尿病を合併していた患者は21名(15.6%),これら両方を合併した患者は12名(8.9%)で認めた.化学療法にて高血圧の増悪を3名(2.2%)で認め,すべての患者が大腸癌治療の経過でベバシズマブが投与されていた.高血圧の増悪確認までの期間はベバシズマブ投与後平均10.5日であり,平均収縮期/拡張期血圧は+22.5/16.5 mmHg(137.5/83 mmHg)であった.高血圧の増悪後,アンジオテンシンII受容体拮抗薬またはカルシウム拮抗薬の追加・変更投与にて改善を認めた.また,糖尿病の増悪は8名で認め,大腸癌3名,悪性リンパ腫・急性リンパ性白血病・肺癌・膵臓癌・膀胱癌は各1名であった.全ての症例において,治療および制吐薬としてプレドニゾロン(30~60mg)またはデキサメサゾン(6.6~9.9mg)が投与されていた.化学療法開始前の糖尿病治療としては,内服薬6名,インスリン製剤1名,未治療1名であった. HbA1c(N)の平均変動は+0.4%(-2.0~+1.9%)であり,ステロイド投与にて急激に血糖値が上昇した患者も認めた.血糖値の増悪に対して,インスリン製剤の増量患者は1名であり,その他7名は内服薬の変更・追加にて対応した.【結語】高血圧・糖尿病を有するがん患者では,化学療法によって血圧および血糖値に影響を及ぼし,そのコントロールに難渋した患者を認めた.近年,化学療法は外来で行うのが主流となってきており,がん患者の生活習慣病においても外来で対応する必要性が増してきている.現在,我々は更なる症例の蓄積を行っており,化学療法時の高血圧および糖尿病に対する増悪の予防及びその対応について文献的考察を加えて発表する.

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

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