演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

アプレピタント併用によるエトポシドの代謝への影響

演題番号 : P98-7

[筆頭演者]
山崎 将英:1 
[共同演者]
戸島 賢壱朗:1、渋谷 ゆかり:1、矢萩 秀人:1、今井 陽子:2、小島 弘:2、西山 薫:2、菅谷 文子:2、小場 弘之:2、戸田 貴大:3、本郷 文教:1

1:手稲渓仁会病院 薬剤部、2:手稲渓仁会病院 呼吸器内科、3:北海道薬科大学

 

【目的】アプレピタント(APR)は、カルボプラチン(CBDCA)などの中程度催吐性リスクの抗がん薬を用いた場合の制吐薬として併用が推奨されるが、CYP3A4阻害作用を有し、多くの相互作用が報告されている。肺がん治療で汎用されるエトポシド(VP-16)はCYP3A4で代謝されるが、APRのVP-16に対する影響について検討した報告はほとんどない。今回我々は、化学療法施行時のAPR併用群と非併用群におけるVP-16の血中濃度を測定し、APR併用による代謝への影響を検証したので報告する。【方法】当院においてCBDCA/VP-16レジメンを適応したAPR併用患者3名、非併用患者3名の計6名を対象とし、3日目のVP-16投与終了5分、1時間、6時間後の採血を行い、血中濃度を測定した。【結果】APR併用群のVP-16の5分後血中濃度は17.4±3.0μ/mL、1時間後11.7±1.7μg/mL、6時間後5.8±1.7μg/mL(平均±標準偏差)であった。一方、非併用群ではそれぞれ13.3±3.7μg/mL、9.7±3.0μg/mL、4.6±0.6μg/mLであり、各々で併用群と非併用群との間に有意差は認められなかった。また、1時間後、6時間後の血中濃度より算出した消失速度定数は、併用群0.144±0.040 hr-1、非併用群0.142±0.042 hr-1、消失半減期は併用群5.09±1.56 hr、非併用群5.25±1.86 hr、台形公式より算出した投与終了後0-6時間のAUCは併用群58.3±9.7μg·hr/mL、非併用群47.5±12.3μg·hr/mL、0-∞のAUCは併用群102.9±34.2μg·hr/mL、非併用群81.8±8.1μg·hr/mLといずれにおいても有意差は認められなかった。【考察】CBDCA/VP-16レジメンは中等度の催吐性リスクに分類され、悪心嘔吐を訴える患者も少なくない。今回の結果ではAPR併用時においてVP-16の血中濃度が若干高い傾向が見られるが、各種パラメータに有意差は認められなかった。このことからはAPRの併用時におけるVP-16の代謝への影響は小さいことが示唆されたが、APRはCYP3A4による代謝を阻害することで種々の薬物との相互作用が多く報告されており、今後もAPRと各種薬剤との相互作用、副作用への影響について症例を蓄積し、検討していく必要があると考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

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