演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

外装容器付抗がん剤バイアルの漏出防止効果について

演題番号 : P98-4

[筆頭演者]
小林 由佳:1,2 
[共同演者]
岩根 裕紀:1,2、新宮 とし子:1、中西 弘和:2

1:京都桂病 薬剤科、2:同志社女子大薬学部臨床薬学教育研究セ

 

【目的】抗がん剤のバイアル製剤はそのガラス容器の表面に抗がん剤が残留していることが欧米では早くから問題となっている。The International Society of Oncology Pharmacy Practitioners(ISOPP)によるISOPP Standards of Practiceでは、「細胞毒性薬を確実に汚染フリーの梱包状態で供給することは、製薬会社の責任である」と記しており、欧州では2000年ごろからバイアル表面を覆う外装容器付き抗がん剤が販売されていた。日本においても外装容器付き抗がん剤が発売されたが、その目的の一つとして不用意な落下や落下後の抗がん剤漏出のリスク防止がある。今回上市されているONCO-SAFE6タイプとオンコテイン9タイプ外装有およびオンコテイン9タイプ外装無について、その漏出防止効果について評価した。【方法】ONCO-SAFE6タイプを、85cm、135cm、180cmの高さに水平に設置された棚からゆっくりと押し出し落下させた。オンコテイン9タイプ外装有およびオンコテイン9タイプ外装無は、70cm、135cm、180cmの高さに水平に設置された棚からゆっくりと押し出し落下させた。70cmは一般的な机の高さ、85cmは一般的な作業台の高さ、135cmは薬剤保管棚の中段、180cmは棚の上段の高さと想定した。【結果】ONCO-SAFE6タイプは合計108バイアルの落下実験を行い、100mL容量のタイプでバイアルの破損を135cmで(2/6)に認め、180cmで(2/6)に認めた。しかし、すべてのONCO-SAFEで外装容器から溶液の漏出を認めなかった。オンコテイン9タイプ外装有およびオンコテイン 9タイプ外装無は合計260バイアルの落下実験を行い、オンコテイン 9タイプ外装有のバイアル破損は、135cmで1g容量(2/10)に認め、180cmで1g容量(1/10)、45mL容量(2/10)に認めたが、すべてのオンコテイン9タイプ外装有では外装容器から溶液の漏出を認めなかった。一方、オンコテイン 9タイプ外装無のバイアル破損は、70cmで5mL容量(1/10)、25mL容量(2/10)に認め、135cmで1g容量(5/10)、5mL容量(3/20)に認め、180cmで2mL容量(1/10)、5mL容量(4/20)、25mL容量(2/10)、45mL容量(1/10)に認め、いずれも溶液の漏出を認めた。【結論】実際に落下などで破損した場合でも外装容器付きや外装有のバイアルは溶液の漏出が防止できるものであり、バイアル落下破損による医療従事者の抗がん剤曝露防止の観点においても寄与するものと思われる。

キーワード

臓器別:その他

手法別:その他

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