演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

健康長寿医療センターにおける抗がん薬曝露低減化への取り組み

演題番号 : P98-3

[筆頭演者]
甲斐田 浩輔:1 
[共同演者]
城田 幹生:1、瀧川 正紀:1、早舩 美保子:1、森 淑子:1

1:東京都健康長寿医療センター 薬剤科

 

 抗がん薬の多くは、がん細胞だけではなく正常細胞のDNAにも作用を及ぼし、長期間にわたって無防備な状態で抗がん薬を取り扱った場合、がんおよびその他の疾患に罹患するリスクが高まる可能性がある。職業性抗がん薬曝露の低減化策として、手袋、マスク、保護メガネを着用し、安全キャビネット(BSC)の設置など作業設備の改善を行い、さらに投与準備の手順として閉鎖式薬物混合システムの採用や、医療従事者に対し抗がん薬など危険性薬物に対する意識を高めることも重要である。そこで、今回、シクロホスファミド(以下CP)及びフルオロウラシル(以下5-FU)の抗がん薬混合調製業務に関わる医療従事者の職業性曝露のモニター調査を行い、病院環境中への抗がん薬の飛散の有無について調査した。この結果を基に抗がん薬の有害性と曝露防止対策について勉強会を行い、看護師の意識調査を行った。 CP、5-FUの濃度測定には、コベルコ科研による高速液体クロマトグラフィータンデム型質量分析法を用いた。CPの濃度測定は薬剤科と血液内科病棟、外来化学療法室で実施し、ふき取り箇所はBSC、病棟の注射薬調製台、病室の点滴スタンド下の床面とした。5-FUの濃度測定は薬剤科と外科系病棟で実施し、ふき取り箇所はBSC、BSC前の床、病棟の注射薬調製台、病室の点滴スタンド下の床面とした。がん化学療法を施行する6病棟の看護師72名を対象に、抗がん剤の有害性や曝露防止対策について勉強会を計8回実施した。勉強会の参加者72名に対し、抗がん薬の有害性や曝露防止対策に関する意識調査を行った。 CP濃度測定では、BSC、病棟の注射薬調製台、外来化学療法室の点滴スタンド下の床面では検出されなかったが、病室の点滴スタンドの下の床面では検出された。5-FUの濃度測定では、BSC、BSC前の床、病棟の注射薬調製台、病室の点滴スタンド下の床面の全てに検出された。看護師の抗がん薬に対する意識調査では経験年数が浅い層ほど危険性があるとの認識が低い傾向がみられた。 CPおよび5-FU調製時に飛散した薬液の処理、ベッドサイドで抗がん薬が混合された点滴を交換する際の手技、残液や患者の尿の取扱いの状況によって、病院全体が抗がん薬によって汚染される危険性をはらんでいることが示唆された。点滴交換を行う看護師では、経験年数によって抗がん薬に対する認識に差があり、抗がん薬の点滴交換時やプライミング時に曝露の危険性が高いことが示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:その他

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