演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

密封小線源療法後の、α1遮断薬とムスカリン受容体拮抗薬併用効果前向き検討

演題番号 : P97-8

[筆頭演者]
石井 啓一:1 
[共同演者]
浅井 利大:1、羽坂 友宏:1、上川 禎則:1、千草 智:2、田中 正博:2、杉本 俊門:1

1:大阪市立総合医療センター 泌尿器科、2:大阪市立総合医療センター 放射線腫瘍科

 

背景】ヨウ素(I-125)シード線源を用いた小線源療法(BT)術後の下部尿路症状(LUTS)の頻度は高く、α1遮断薬の術後投与が有用であるとする報告は多い。目的】当院におけるBT術後で、α1遮断薬に加え、ムスカリン受容体拮抗薬を併用することが、術後QOLの改善に寄与するかどうかを前向きに検討する。方法】2010年4月以降に当院で施行したBTで、1年間以上の経過を観察した41症例において、封筒法にて分別した術後にタムスロシン(0.2mg/日)のみ使用した18例(A群)と、同量のタムスロシンにソリフェナシン(50mg/日)を併用した23例(B群)のQOLについて比較検討した。QOL調査は国際前立腺症状スコア(IPSS)と過活動膀胱症状質問票(OABSS)に加え、EPIC(Expanded Prostate Cancer Index Composite)を用い、治療前および治療後1、3、6、12ケ月目に施行した。結果】A群、B群で、症例の年齢中央値はそれぞれ71.5歳、71.5歳、治療前PSA中央値はそれぞれ11.8ng/ml、15.4ng/mlであり有意差はなかった。両群の比較検討にて、IPSSでは、1カ月後ではA群に比してB群の低値の傾向が見られ、3カ月後ではA群、B群のスコアはそれぞれ20.0±6.90、15.3±8.71と有意にB群が低値であった。6カ月以降は有意差はないがB群の低値が続いた。OABSSでも、1ヶ月後でA群、B群それぞれ7.8±3.8、5.6±3.5で、また3カ月後で、それぞれ8.53±3.7、6.22±3.0と、いずれもB群が有意に低値であった。またIPSSで、3カ月、6か月、12か月後に、OABSSで3カ月、12か月後に夜間頻尿回数がB群で有意に低値であった。さらにEPICの検討からは、3カ月後の排尿負担感項目において、A群、B群それぞれ61.8±15.9、72.5±20.1であり、また6カ月後においても、それぞれ69.2±20.4、79.3±16.2であり、いずれもB群で有意に排尿負担感の悪化が抑えられていた。EPICにおける排尿領域の他の項目、また排便、性、ホルモン各領域での有意差は認められなかった。考察】BT術後にムスカリン受容体拮抗薬を追加投与することにより、より早期に排尿状態を改善させるとことが示唆された。それは夜間頻尿が減少したことによると考えられるが、同時に便秘や尿線低下を生じさせなかったことより、BT術後のムスカリン受容体拮抗薬の併用は有意義であると考えた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:放射線治療

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