一般演題(示説)
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当院における限局性前立腺癌に対する3D-CRT/IMRTの検討 演題番号 : P97-3
1:奈良医大放腫、2:奈良医大泌尿
【背景・目的】当院では2005年11月よりNovalisを用いて限局性前立腺癌に対して3D-CRTもしくはIMRTを行っている。本来は全例IMRTにて行うのが望ましいが、マシンタイムの制限もあり、時間のかかるIMRTを多用することは困難である。そのため、症例によってはより簡便に施行できるdynamic conformal arc(以下DCA)による3D-CRTで治療を行っている。今回、2年以上経過した症例について報告する。【対象と方法】2013年4月までに治療した限局性前立腺癌は259例あった。このうち3年以上経過した207例(DCA:101例、IMRT:106例)を対象とした。CTVは低リスク:前立腺、中リスク・高リスク(T3a):前立腺+精嚢近位、高リスク(T3b):前立腺+精嚢全体とし、PTVはCTV+margin(直腸側・側方;6mm、頭尾方向;10mm)とした。照射はPTVの形状により9門のIMRT、もしくは1 arc:320°回転のDCAで行っている。照射野の照合は体表の赤外線マーカーとExacTrackで骨構造を基準として2mm以内の精度で毎回行い、照射には3mmのリーフのmicro-MLC(m3)を用いている。線量は低~中リスクに対しては74Gy/37Fr、高リスクに対しては2008年2月までは74Gy/37Fr、以降は76Gy/38Frを処方している。治療後はNCI-CTCAE(Ver. 3)に準拠し、放射線直腸炎、直腸出血、尿道炎など8項目について有害事象調査を行っている。【結果】急性期有害事象はほとんどGrade1以下であった。また、晩期有害事象ではGrade2以上の直腸出血が17例(DCA:12例、IMRT:5例)、うちGrade3は7例(DCA:4例、IMRT:3例)みられた。症例数、経過期間ともまだ不十分ではあるが、現時点では比較的安全に治療できているものと考える。また、治療効果(PSA値)や有害事象発生症例の背景因子についても報告する予定である。
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