演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

転移性前立腺癌における治療での末梢循環癌細胞検査の意義

演題番号 : P96-11

[筆頭演者]
桶川 隆嗣:1 
[共同演者]
多武保 光宏:1、宍戸 俊英:1、奴田原 紀久雄:1

1:杏林大 泌尿器科

 

【目的】未治療の骨転移前立腺癌に対する治療経過において循環癌細胞(CTC)数および治療前後でのCTC遺伝子解析の意義を検討した。【対象と方法】未治療の骨転移前立腺癌144例の治療法はMAB療法±ゾレドロン酸(ZOT)で行った。始めの抗アンドロゲン剤はビカルタミドを用い、再燃時はフルタミドを使用し、さらに不応となった場合はドセタキセル(TXT)±エストラムスチンを用いた。平均観察期間は37.5ヵ月であった。CTCは各治療前後でさらにTXT時は3-4コースごとに測定した。CTC検査はEpCAM抗体により免疫磁気法で上皮性癌細胞を選択し、サイトケラチン抗体とDAPIで癌細胞を同定した。CTC(+)は5個以上⁄7.5mlとした。CTC(+)ではCTCのFISH解析:アンドロゲン受容体(AR)、上皮成長因子受容体(EGFR)を行った。【結果】1. 未治療の骨転移前立腺癌患者でCTC(+)を示した群(82例)とCTC(-)を示した群(62例)の非再然期間の中央値はそれぞれ18.4ヶ月と32ヶ月以上で有意な差が認められた(p<0.001)。2.観察期間中にCRPCと診断した76例で、CRPCの診断時のCTC(+)群(47例)の生存期間(OS)の中央値は13.0ヶ月でCTC(-)群(29例)のOSの中央値は20.0ヶ月で有意な差が認められた(p<0.001)。交替療法前後CTC(+)群(24例)のOSの中央値は12.2ヶ月で前後ともに(-)群(16例)の46ヶ月以上と比較して有意に短かった(p<0.001)。3. CRPCと診断された76例のうちTXT治療した42例においてTXT前CTC(+)24例のOSの中央値は11.5ヶ月で (-)群(18例)のOSの中央値は18.8ヶ月と有意な差が認められた(p<0.001)。TXT投与前後CTC(+)17例のOS期間の中央値は8.5ヶ月で投与前後CTC(-)18症例の21.4ヶ月と比較して有意に短かった(p<0.001)。4.TXT治療前のCTC-FISHが解析できた37例において、AR遺伝子異常(多コピー,増幅)(+)21例は遺伝子異常(-)16例と比較してOSが有意に短かった(中央値9.2ヶ月 vs 20.5ヶ月)(p<0.001)。EGFR遺伝子異常(+)15例は遺伝子異常(-)22例と比較してOSが有意に短かった(中央値9.4ヶ月 vs 19.8ヶ月)(p<0.001)。予後予測因子の多変量解析では TXT治療前のCTC, ALP, ARまたはEGFR遺伝子異常が有意な因子であった。TXT治療中PSAの上昇を認めないが肝転移を認めた3症例と肺転移を認めた1例において全例EGFR遺伝子増幅を認めた。【結論】CTC検査は前立腺癌の病態を表していて、各治療効果判定に有用であることが示唆された。今後は新規治療薬選択に寄与できる可能性がある。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:バイオマーカー

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