演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

自治医科大学におけるエベロリムスの使用経験

演題番号 : P95-11

[筆頭演者]
黒川 真輔:1 
[共同演者]
小林 実:1、貫井 昭徳:1、夏井 信輔:1、寺内 文人:1、藤崎 明:1、久保 太郎:1、小松 健司:1、森田 辰男:1

1:自治医科大学 泌尿器科

 

【目的】本邦において、進行性腎細胞癌に対してチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)が3剤、mTOR阻害剤が2剤使用可能となり、3次治療、4次治療も可能になってきている。mTOR阻害剤であるエベロリムスは、欧米のガイドランではTKI治療後の2次治療としての位置づけになっている。当科におけるこれまでのエベロリムスの使用経験について報告する。【対象と方法】2010年5月から2013年3月末までの間に当科にてエベロリムスの治療を開始した26例(男性19例、女性7例)を対象とした。平均年齢67.5歳でうち18例が腎摘を行っており、組織型は、淡明細胞癌17例、乳頭状腺癌1例であった。投与開始前のECOG PS0が6例、PS1が15例、PS2が5例であり、MSKCCリスク分類はFavorable 1例、Intermediate 18例、Poor 7例であり、TKI 1剤後の投与は15例、TKI 2剤後の投与は9例であった。【結果】エベロリムスの最大臨床効果はPR 1例、SD 18例、PD 7例であった。エベロリムスが6ヵ月以上投与可能であった症例が11例(25%)あり、最長投与の症例では35ヵ月経過しており現在も投与継続中である。エベロリムスの無増悪生存期間中央値(Median PFS)は187日であり、治療成功期間中央値(Median TTF)は115.5日であった。エベロリムス投与後にTKIでの後治療が可能であった症例が8例であった。主な有害事象は口内炎、血小板減少、貧血、LDH高値、肝酵素上昇、クレアチニン上昇であり、多くの症例では外来での投与継続が可能であった。G3以上の有害事象としては白血球減少、貧血、間質性肺炎、気管支肺炎、肺水腫、高血糖、クレアチニン上昇、肝酵素上昇、高脂血症であった。また、QOLの指標の一つであるSF-36をエベロリムス投与前、投与後に調査しており現在解析中である。【結論】当科のエベロリムスの使用経験では、TKIの後治療として作用機序の異なるエベロリムスを使用する事で、有害事象の重複を避ける事ができ、長期の治療継続が可能であると思われた。このことから、分子標的治療による長期的な治療戦略を考慮した際に、TKI投与後の薬物療法として、作用機序の異なるエベロリムスの治療意義は十分にあると思われた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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