演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行性腎細胞癌におけるエベロリムスの治療成績と有害事象

演題番号 : P95-9

[筆頭演者]
佐塚 智和:1 
[共同演者]
巣山 貴仁:1、佐藤 広明:1、樋口 耕介:1、山本 賢志:1、黒住 顕:1、仲村 和芳:1、坂本 信一:1、川村 幸治:1、今本 敬:1、二瓶 直樹:1、市川 智彦:1

1:千葉大学 泌尿器科

 

【目的】当科における進行性腎細胞癌症例に対するエベロリムスの投与につき検討する。【対象と方法】2010年8月から2013年4月までに、エベロリムスを投与した症例に関しretrospectiveに検討を行った。【結果】年齢の中央値は68歳 (57-76)、性別は男性12例であった。原発巣に関しては10例で摘除を施行、2例では非摘除であった。組織型は10例が淡明腎細胞癌、1例が乳頭状腎細胞癌、1例は不明であった。MSKCCのリスク分類ではfavorable 1例、intermediate 9例、poor 2例であり、転移臓器数は1臓器が2例、2臓器が2例、3臓器が4例、4臓器が3例、5臓器が1例であった。使用時期は2次療法が2例、3次療法が3例、4次療法が3例、5次療法以降が4例であった。3例が5mg、9例が10mgで投与開始した。観察期間は中央値7.4カ月(0.3-18.6)であった。全生存期間(OS)は12カ月であり、無増悪生存期間(PFS)は5.7カ月であった。投与を終了した症例におけるエベロリムス投与継続期間は最大で12.4カ月であった。評価可能であった10例のObjective response rateはPR1例、SD6例、PD3例であった。有害事象は、間質性肺炎を全gradeで7例に認め、そのうちgrade3以上を3例で認め、2例は投与中止となった。またgrade3の低リン血症に伴う上肢の神経障害、複視にて1例が投与中止となった。頻度の高い有害事象として全gradeで口内炎を5例、血小板減少を4例に認めた。【結語】エベロリムスの投与で、他の分子標的薬に対し不応例において比較的長期なPFSが得られた。症例が少なくさらなる経験の蓄積が必要であるが、本検討における間質性肺炎の発症が多いことは、肺転移自体の影響や複数種の分子標的薬治療による肺障害による影響が関与しているものと考える。当院では呼吸器科と併診で呼吸器障害につき対応をしている。進行性腎細胞癌に対しエベロリムスの使用は有害事象により投与中止になる症例もあるが、適切な対処により治療を再開できる症例もある。他科との密接な連携のうえ適切な有害事象対策をすることで有用性を期待できる治療法である。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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