一般演題(示説)
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進行性腎癌に対するアキシチニブの使用経験 演題番号 : P95-6
1:宮崎大泌尿器科
【目的】転移性腎癌に対するアキシチニブの使用経験を報告する。【対象】宮崎大学附属病院で2012年8月から2013年3月の期間に進行性腎癌に対しアキシチニブを使用し治療を行った12例について、その治療効果と有害事象について検討した。【結果】総数12例(男10例、女2例)、年齢の中央値は67歳(48-78)、11例で腎摘除術が施行され、これらの病理診断像は全て淡明細胞癌であった。投与開始時のMSKCCリスクはFavorable3例、intermediate6例、poor3例。初診時有転移症例は11例、転移臓器数は1臓器2例、2臓器7例、3臓器2例、転移臓器は肺6例、骨6例、リンパ節5例、肝2例、膵1例。前治療歴は、治療歴なし5例、ソラフェニブ-エベロリムス4例、IFN単独1例、スニチニブ単独1例、IFN-スニチニブ1例、転移巣切除術は6例で施行され、内訳は骨3例、肺1例、対側腎1例であった。最大治療効果(RECIST v1.1)はPR4例、SD6例、PD1例、無増悪生存期間の中央値は83日(22-222)。治療状況は投薬継続6例、疾患進行による投薬終了は2例、うち1例は癌死であった。またT3a症例1例でプレサージカル治療を行った。重篤な有害事象(CTCAE v4.0-JCOG G3以上)は、高血圧8例(66%)、蛋白尿1例(8%)、創合併症1例を認めた。また間質性肺炎1例、大腸憩室炎1例を認め、創合併症1例を含め投与中止した。【考察】治療期間が短いがアキシチニブの治療効果は従来のチロシンキナーゼ阻害薬と比較して高かった。G3以上の有害事象は高血圧が多く、内科的治療や薬剤の減量・中止により対処可能であった。またファーストライン治療としての治療効果も良好であった。以上より進行性腎癌の有用な選択肢と考えられた。
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