一般演題(示説)
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山形大学における進行性腎細胞癌に対するaxitinibの初期使用経験 演題番号 : P95-5
1:山形大・医・腎泌尿器外科学
【目的】 分子標的薬の登場により、進行性腎細胞癌に対する治療選択肢が大幅に広がった。Axitinibは二次治療薬として、その効果や有害事象発生頻度の低さに期待が寄せられている。山形大学における進行性腎細胞癌に対するaxitinibの治療成績および有害事象につき検討を行った。【対象と方法】2008年2月から2013年5月までに進行性腎細胞癌に対し、axitinibを投与した23例を対象とした。抗腫瘍効果判定にはRECIST1.1、有害事象の評価にはCACTE v4.0を用いた。年齢中央値は59.0歳(34-78)、男性18例、女性5例であった。組織型はclear cellが20例、papillaryが1例、分類不能が1例、不明が1例であった。MSKCCリスク分類はfavorable1例、intermediateが17例、poorが5例であった。一次治療(治験例)が2例で二次治療が14例、三次治療以降が7例であった。【結果】評価可能であった20例の最良効果の内訳はPR:7例(35%)、SD:9例(45%)、PD:4例(20%)で、奏効率は35%、疾患制御率は80%であった。無増悪生存期間の中央値は15.0ヶ月であった。有害事象は、高血圧15例(65.2%)、手足症候群が12例(52.1%)、蛋白尿が11例(47.8%)、甲状腺機能低下症9例(39.1%)、口内炎6例(26.0%)に認められた。グレード3以上の有害事象として最も多かったのは高血圧で、8例(34.8%)に認められたが、降圧薬投与にてコントロール可能であった。【結論】当科における進行性腎細胞癌に対するaxitinibは高い有効性を示した。また、高血圧、手足症候群、蛋白尿等の有害事象に留意する必要があるものの、重篤な有害事象の頻度が比較的低いため、今後有用な治療選択肢となりうると考えられた。今後さらに症例数を増やして、至適投与量や患者選択等についての検討が必要であると考えられた。
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