一般演題(示説)
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High grade筋層非浸潤性膀胱癌に対する2ndTUR-BTの有効性 演題番号 : P95-1
1:東京大学医学部医学系研究科 泌尿器外科学、2:三井記念病院 泌尿器科
目的)T1膀胱癌に対する2ndTURの適応および意義は現在確立されているが、当科においてその有用性と手術手技につき臨床的検討を行った。対象・方法)2000年1月から2012年8月までに当院にて膀胱腫瘍の診断でTUR-BTを施行し、病理組織学的深達度がT1と診断された症例53例に対して2nd TURを施行した。原則的に初回TUR-BTの術後24時間以内にTHP-ADM20mg単回膀胱内注入と、初回TUR時には膀胱系統生検を施行している。結果)平均年齢は71歳(51-88)、女性:男性=8:45、初回TURから2nd TURまでの期間は平均5.6週間(2-16)、観察期間は平均34ヶ月(4-87)、初回TUR時の腫瘍は、初発:再発=44:9 、単発:多発=23:24 、2ndTURの病理所見はpT0 :24 例、pTa:10 例、pTis:5 例、pT1 :8 例、pT2 :2 例であった。CIS病変を含む症例は5 例全例で2ndTUR時に残存腫瘍を認めた。残存腫瘍を認めた症例のうち、79 %は初回時多発病変であり(p<0.01 )、初回の病理でG3 成分を含むものは90 %(p<0.05 )と高率であった。後治療はBCG療法30 例、最終的に膀胱全摘に至った症例は5 例であった。考察)High grade 筋層非浸潤癌が臨床的に疑われる症例で、多発・CIS様変化のある病変では特に注意してTURすることが勧められる。T1癌の残存は早期進展に関与すると報告されているが、T0/Ta癌の残存症例でも1年以内に遠隔転移や筋層浸潤癌への進展が認められ、特にこの時期における慎重な経過観察の必要性が示唆された。
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