演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

転移性腎癌に対する分子標的薬による逐次療法の検討

演題番号 : P94-9

[筆頭演者]
白水 翼:1 
[共同演者]
宋 裕賢:1、立神 勝則:1、内藤 誠二:1

1:九州大学病院

 

【背景】近年分子標的薬が出現して以降、進行性腎癌に対する治療は大きく変化した。これまでに多くの臨床試験によりその有効性が証明されてきたが、多種の薬剤による逐次療法において、薬剤をどの順序で使用し、どの程度の治療効果が得られるかについてはエビデンスが乏しく、また検証することは困難である。このため、各分子標的薬の使用状況を個々の患者について調査し、その治療効果について解析した。【方法】九州大学病院泌尿器科において2000年6月から2010年10月までに進行性腎癌と診断された患者110名について、分子標的薬が使用可能となった前後における生存期間の比較と、Sunitinib、Sorafenib、Everolimus、emsirolimusの4剤の使用状況、効果、治療期間(TOT: time on treat)を個々の患者で調査し、使用率(全治療期間中に当該薬剤が使用された期間)を評価した。【結果】分子標的薬による治療をうけた患者は43名(39%)であり、分子標的薬が使用可能となったことにより、患者の生存期間は優位に延長していた。1st lineでSunitinib、2nd lineでSorefenib、Everolimus、Temsirolimusを使用される症例が多く、各薬剤のclinical benefit(PR+SD)が得られた症例数(%)、TOT、使用率は、Sunitinib: 25/59例(42%)、6.1ヶ月、30%、Sorafenib: 33/60例(55%)、8.6ヶ月、32%、Everolimus: 4/25例(16%)、4.1ヶ月、18%、Temsirolimus: 4/8例(50%)、10.0ヶ月、17%であった。有害事象による治療中止例はSunitinib: 12/59例(20.3%)、Sorafenib: 9/60例(15%)、Everolimus: 12/25例(48%)、Temsirolimus: 1/8例(12.5%)であった。【考察】当院での進行性腎癌に対する分子標的薬の使用状況は概ね腎癌診療ガイドラインに準じて使用されており、一次療法ではTKIであるSunitinibを使用している症例が多く、二次治療としてはTKI、mTORがそれぞれ使用されていた。効果に関してはTKIのほうがmTORに比較してTOTが長く、臨床効果もよい傾向であった。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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