演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行性腎細胞癌に対するスニチニブ治療におけるC反応性蛋白の有用性

演題番号 : P94-5

[筆頭演者]
藤田 哲夫:1 
[共同演者]
津村 秀康:1、田畑 健一:1、松本 和将:1、岩村 正嗣:1

1:北里大学医学部泌尿器科学

 

【目的】C反応性蛋白(CRP)は,免疫療法時代に進行性腎細胞癌の予後予測因子として有用であるとされてきた.進行性腎細胞癌に対するスニチニブ治療は,高い治療効果を認める一方,治療に反応しない症例も経験し,予後予測因子の解明が必要であると考えられる.以前我々は,スニチニブ投与前のCRP正常値が,スニチニブ治療の予後予測因子として有用であることを報告した.今回さらに,スニチニブ投与後のCRP値推移を含め,スニチニブ治療におけるCRPの有用性について検討したので,報告する.
【方法】2008年12月から2012年12月までの間に,進行性腎細胞癌に対してスニチニブを投与した56例を対象とした.スニチニブ投与前のCRP値が正常値(0.30mg/dL以下)の正常群,投与前のCRP値が高値であるがスニチニブ投与後2サイクル以内にCRP値が正常化した正常化群,投与前のCRP値が高値でかつスニチニブ投与後2サイクル以内にCRP値の正常化を認めなかった非正常化群の3群に分け,治療効果,無増悪生存期間,及び全生存期間について検討した.
【成績】淡明細胞腎癌が53例(94.6%),乳頭状腎細胞癌が3例(5.4%)であった.正常群は17例(30.4%),正常化群は8例(14.3%),非正常化群は31例(55.4%)であった.投与前のCRP平均値は,非正常化群で有意に高値であった(P=0.0002).疾患制御率は正常群で94.1%,正常化群で75%,非正常化群で35.4%であり,正常群と正常化群で有意に高値であった(P=0.0002).無増悪生存期間の中央値は,正常群で19.0か月,正常化群で17.0か月,非正常化群で5.0か月と,正常群で有意な延長効果が認められた(P=0.0062).また,全生存期間の中央値は,正常群で32.0か月,正常化群で26.0か月,非正常化群で9.0か月と,正常群で有意な延長効果が認められた(P=0.0019).Relative dose intensityは3群間で有意差を認めなかった.
【結論】進行性腎細胞癌に対するスニチニブ治療において,投与前のCRP値が正常値である場合に加え,投与前のCRP値が高値でも投与後2サイクル以内に正常化した場合,その治療効果は有意に良好であることが証明された.今後CRP値によって,スニチニブ治療の効果を予想し得る可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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