演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Sunitinibの治療効果予測因子と治療効果予測モデル

演題番号 : P94-2

[筆頭演者]
川井 禎久:1 
[共同演者]
小林 圭太:1、西嶋 淳:1、松本 洋明:1、長尾 一公:1、原 貴彦:1、坂野 滋:2、松山 豪泰:1

1:山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野 、2:小倉記念病院

 

【背景・目的】 sunitinibは多くの有転移性腎細胞癌に対して選択肢となり得る薬剤である。しかし、個々の症例における治療前治療効果予測のマーカーの報告は現在まで多くない。本研究の目的はsunitinib選択にあたり、治療効果を予測しうる治療前因子を同定し、治療中の有害事象の中で治療効果を予測しうる因子を加えて、sunitinib継続が有益な症例を選択する予後予測モデルを構築することである。【対象と方法】2008年11月から2012年8月の期間で、当院および関連施設でsunitinibを投与された53例を対象とした。患者背景は、ECOG PSは1以下が85.6%、MSKCCリスク分類ではFavorable 7例(13.2%)、Intermediate 35例(66.0%)、poor症例が9例(17.0%)、不明が2例(3.8%)であった。Sunitinib投与前の年齢・性別・ECOG PS・MSKCC risk・Hb・CRP・LDH・Ca・好中球数・血小板数、および治療中の有害事象の有無の各因子について、Sunitinib投与後の無増悪生存期間(PFS)を予測できるかどうか検討を行った。【結果】観察期間中央値は7.7ヶ月(0.2-48.1ヶ月)、PFS中央値は9.2ヶ月(0.2-40.0カ月)であった。PFSを予測する因子について単変量解析では、MSKCCリスク、sunitinib投与前CRP値と甲状腺機能低下症の有無が有意な因子となった。多変量解析で独立予後予測因子となった治療前CRP高値、治療による甲状腺機能変化なしをリスク因子とし、リスク因子が0個: low risk (13例),1個: intermediate risk (19例),2個: high risk (19例)の3群に層別化し、治療効果予測モデルを作成した結果、各群間に有意差を認めた。(0 vs 1;p=0.002, 1 vs 2;p=0.035)【結語】治療前CRP正常かつ治療中甲状腺機能低下がみられた症例は無増悪生存期間が最長であり、sunitinib継続の価値があることが示唆された。一方、治療前CRP高値かつ治療中甲状腺機能低下のない症例はsunitinibを継続しても効果が期待できず、他の分子標的薬への変更を考慮すべきことが示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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