演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

腎細胞がん患者でのスニチニブの血中濃度モニタリングに基づく副作用評価

演題番号 : P94-1

[筆頭演者]
野田 哲史:1 
[共同演者]
大辻 貴司:2、吉岡 敏彦:2、山下 寛人:3、吉田 哲也:3、影山 進:3、岡本 圭生:3、岡田 裕作:3、大西 裕之:4、平 大樹:1、森田 真也:1、寺田 智祐:1

1:滋賀医大病 薬剤部、2:滋賀県立成人病セ 薬剤部、3:滋賀医大病 泌尿器科、4:滋賀県立成人病セ 泌尿器科

 

【目的】スニチニブは進行性腎細胞がんで承認された分子標的抗がん薬であるが、用量制限毒性となる重篤な有害事象のために標準投与量での継続が困難となり、減量/中止を余儀なくされる場合が多い。動物実験では血中総スニチニブ濃度(スニチニブと活性代謝物であるSU12662の総和)が50-100 ng/mLにおいてVEGFR-2およびPDGFR-βのリン酸化が阻害されることが知られている。また海外の臨床試験では、総スニチニブ濃度が100 ng/mLを超えた症例で用量制限毒性が多く認められたと報告されている。そこで本研究では、日本人でのスニチニブの至適濃度を探索するため、スニチニブの血中濃度と副作用発現の頻度/重篤度および治療成功期間(TTF)の関連性について解析した。【方法】2010年9月から2013年3月までの間で、滋賀医大病院および滋賀県立成人病センターにおいて、スニチニブを投与され、血中濃度測定の同意を得た腎細胞がん患者21名を対象とした。スニチニブおよびSU12662の血中濃度は高速液体クロマトグラフィーで測定した。スニチニブによる副作用はCTCAE v.4により評価した。【結果】総スニチニブ濃度と血小板数は、有意な負の相関を示した(r= -0.48)。しかし、総スニチニブ濃度と赤血球数および白血球数に相関性は認められなかった。また食欲不振、倦怠感および出血イベントが発現した患者の総スニチニブ濃度は、これらの副作用のなかった患者と比較して有意に高値であった。一方、総スニチニブ濃度と手足症候群、高血圧の発現に関連性は認められなかった。総スニチニブ濃度が100 ng/mL以下の患者ではTTFの中央値は686日であり、100 ng/mL以上の患者の71日と比較して有意に長かった。【結論】総スニチニブ濃度が高値であると副作用発現のリスクが高まり、特に100 ng/mLを超えた場合、スニチニブの継続は困難となることが示された。したがって、スニチニブの血中濃度モニタリングに基づき投与設計をおこなうことは、副作用を回避してTTFの延長につながる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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