演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

両側水腎症、腎不全で発見された成人型顆粒膜細胞腫晩期再発の一例

演題番号 : P92-9

[筆頭演者]
河村 彩:1 
[共同演者]
須賀 新:1、三輪 綾子:1、吉田 恵美子:1、小泉 朱里:1、太田 武雄:1、永井 富裕子:1、糸賀 知子:1、西岡 暢子:1

1:埼玉県越谷市立病院 産婦人科

 

卵巣顆粒膜細胞腫は,閉経期から閉経後に好発する.卵巣腫瘍取り扱い規約では性索・間質系腫瘍に分類され境界悪性腫瘍に属している比較的稀な通常エストロゲン活性を持つホルモン産生性の腫瘍である.その頻度は,本邦においては原発性卵巣腫瘍中の0.9から1.7%,悪性卵巣腫瘍中の3.1から8.1%と報告されており,その予後は初期では一般に良好と考えられている.また,卵巣外に進展する場合にも骨盤内にとどまり,遠隔転移は稀とされている.今回,我々は両側水腎症、腎不全により発見された成人型顆粒膜細胞腫晩期再発の1例を経験したので報告する.症例は61歳,2経妊2経産,45歳時に前医で卵巣腫瘍に対し,腹式単純子宮全摘,両側付属器切除術,大網切除,後腹膜リンパ節廓清施行されている.成人型顆粒膜細胞腫FIGOΙc(pT1cN0M0)期の診断となり補助化学療法施行せず経過観察となっていた.初回治療から15年後,両側水腎症,腎不全,心不全徴候認め当院救急外来搬送となる.経腟超音波で巨大骨盤内腫瘤認めたため,当科にて精査.搬送時の全身状態は意識レベルJCSΙΙ‐30,PS4,聴診上coarse crackle認め,全身性浮腫,喘鳴を伴う呼吸を認めた.採血上Hb 6.9g/dl,BUN54mg/dl,Cre3.95mg/mlと重症貧血と腎機能障害,骨盤MRIでは約30cmの内部不均一な腫瘍を認めた.腫瘤圧迫による腎後性腎不全と考え,入院当日に腎瘻留置し,全身状態改善後に骨盤内腫瘍摘出術施行の方針とした.術前のホルモン値はエストロゲン50pg/mlであり,顆粒膜細胞腫の晩期再発を疑った.腹腔内は腸管と仙骨前面との強固な癒着を認め,摘出に時間を要した.術中迅速病理診断で顆粒膜細胞腫であり晩期再発の診断.術後ホルモン値の正常化を認め,腎廔も抜去でき,現在外来経過観察中である.顆粒膜細胞腫は術後10年以上経過した後の晩期再発も稀ではないとの報告もあり,術後も長期にわたる経過観察が必要である.

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:その他

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