演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

癌性胸膜炎、腹膜炎を合併したdysgerminomaの1例

演題番号 : P92-7

[筆頭演者]
石原 恒夫:1 

1:岡崎市民病院

 

Dysgerminomaは稀な疾患である。なかでも癌性胸膜炎、腹膜炎を伴うような進行期の報告は少なく、治療管理法は十分には確立していない。今回我々は癌性胸膜炎、腹膜炎を伴うdysgerminomaの腫瘍減量術と術後化学療法が奏功した症例を経験したため報告する。【症例】25歳女性【主訴】腹部膨隆【妊娠歴、既往歴、家族歴】なし【現病歴】腹部膨隆を指摘され、当院総合内科紹介受診。多量の腹水と下腹部に腫瘤を認め産婦人科紹介。【来院時所見】LDH 2737 IU/L、CA125 721U/mL、AFP、CA19-9、CEAは異常なし。胸腹部造影CTにて右胸水と多量の腹水を認めた。MRIで骨盤内腫瘤は13cmほどの充実性腫瘍であった。更にダグラス窩、膀胱上部に腹膜播種を認め、左外腸骨域には腫大リンパ節を認めた。胸水、腹水細胞診は陽性、子宮頸部の細胞診は陰性であった。【経過】卵巣癌4期の診断にて開腹し、両側卵巣摘出、大網切除、虫垂切除、直腸前面の腫瘍切除を施行した。腫瘍は両側性で左右が癒着しており、全体で20cmほどの大きさだった。子宮漿膜面、大網、腸間膜、横隔膜下にも多数の播種を認めた。病理組織はdysgerminomaであった。他の腫瘍組織の混在はなくpureなtypeであった。術後化学療法はBEP療法9コースとTC療法1コースを行った。BEP療法3コース後にLDHは正常範囲内に低下し、CA125 も5コース後に正常範囲内に低下した。以降は上昇を認めていない。CT等の画像検査でも異常なく、術後3年経過しているが再発所見は認めていない。【考察】dysgerminomaは早期において手術療法、化学療法、放射線療法が有効とする報告は比較的多くあるが、進行例においては報告が少ない。今回我々は癌性胸膜炎、腹膜炎にまで進行したdysgerminomaの症例に対し腫瘍減量術後、BEP療法を行ったが再発などの所見はなく有効な治療であったと考えられた。治療指標や投与サイクルに関しては今後さらなる検討が必要と思われる。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:集学的治療

前へ戻る