演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

卵巣悪性奇形種と思われる腺癌に非小細胞性神経内分泌癌の合併が疑われた一例

演題番号 : P92-3

[筆頭演者]
高橋 秀明:1,2,3 
[共同演者]
足立 靖:1、原田 拓:1、菊池 剛史:1、秋野 公臣:1、見田 裕章:1、足立 靖代:1、中村 正弘:1、吉田 幸成:1、遠藤 高夫:1、加藤 康夫:1、石井 良文:4

1:札幌しらかば台病院 消化器内科、2:札幌医科大学 分子生物学講座、3:聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓内科、4:札幌しらかば台病院 病理科

 

【目的】卵巣成熟嚢胞性奇形種は若年女性に多く、全卵巣腫瘍の10〜30%を占めている。 しかし40歳代以降では悪性化例(1〜2%)もみられ、注意が必要である。その大部分が扁平上皮癌と報告されているが、今回卵巣成熟嚢胞性奇形種より悪性転化したと思われる腺癌に非小細胞性神経内分泌癌の合併が疑われた一例を経験したので報告する。【症例】70歳、女性。脳出血後遺症(右片麻痺、失語)、高血圧、高脂血症、痛風にて外来通院していた。2010年5月頃より、嘔気、嘔吐、食思不振が出現、6月中旬より下腿浮腫を認めるようになった。投薬などで経過が見られていたが症状が改善しない為、7月精査のため入院となった。結膜は軽度貧血様。上腹部および骨盤内に腫瘤を触知したが、圧痛は認めなかった。下腿浮腫を認めた。また脳出血後遺症と思われる右片麻痺、失語を認めた。採血にて軽度の貧血、胆道系酵素の上昇を認めた。また白血球は正常のものもCRP4.67mg/dlと軽度上昇を認めた。腫瘍マーカーはCA19-9 72U/ml、PIVKA-2 72mU/ml、CA125 80U/mlと軽度上昇を認めた。CT検査にて嚢胞成分が主体であるが、一部に充実性成分・石灰化を伴う腫瘍を上腹部と骨盤内に認めた。以上より悪性奇形腫を疑い札幌医大産婦人科受診、手術目的にて8月に転院となった。しかし、最終的に手術は困難と判断され、肝を圧排していたのう胞性腫瘤のドレナージ術のみ施行された。食欲も改善し全身状態も改善がみられたが、徐々に病状進行し、2011年6月永眠となった。ご家族の同意が得られたため病理解剖が行われた。肉眼的には骨盤内から上腹部、肝臓に至るまで一塊の腫瘤がみられた。組織学的には石灰化、脂肪化を伴う卵巣成熟奇形腫がみられ、一部に悪性転化と思われる腺癌もみられた。免疫染色ではMIB1、p53、CA125、CAM5.2、NSEが陽性であった。以上より卵巣奇形種の悪性転化と思われる腺癌に一部非小細胞性神経内分泌癌の合併、と診断した。 【結論】卵巣奇形種より悪性転化したと思われる腺癌に非小細胞性神経内分泌癌が合併した症例を経験した。非常に稀であり、現在までのところ2例しか報告されておらず、貴重な症例と考え報告した。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:診断

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