演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

難治性がん疼痛への持続硬膜外麻酔を長期維持しうる作業療法の環境設定・動作指導

演題番号 : P91-16

[筆頭演者]
小島 好:1 
[共同演者]
吉本 鉄介:2、齋藤 調子:3、春原 啓一:4、安部 能成:5

1:社会保険中京病 リハビリテーションセ、2:社会保険中京病 緩和支持治療科、3:社会保険中京病 産婦人科、4:名古屋市立東部医療セ 疼痛緩和支持治療科、5:千葉県立保健医療大 健康科学部 リハビリテーション学科

 

【はじめに】
WHO方式がん疼痛治療法では、強オピオイドに反応しない難治性疼痛に対する硬膜外または脊髄麻酔による鎮痛が推奨され、皮下ポートで持続投与するキットも市販されている。持続脊髄麻酔は、くも膜下腔カテーテルの自然抜去リスクが硬膜外法より低いが,ADLの良い症例では脊髄漏症候群の頭痛や眩暈等の合併症もおきやすい。持続硬膜外麻酔で、自然抜去リスクを患者の環境設定・動作指導で軽減できれば患者QOL向上に寄与するだろうが過去に報告はない。硬膜外麻酔を皮下ポート留置で施行し在宅医療へ移行できた1症例で、有用だった作業療法 (以下OT) の情報や経験を提供する。
【症例】
50歳代,子宮体がん (Stage3)の悪性腸腰筋症候群によるモルヒネ抵抗性の強度疼痛治療のため入院、緩和ケアチーム介入開始。
【経過】
左下肢L3~4領域の疼痛と軽度麻痺あり。動作能力は高いが,疼痛でECOG PSは3。入院18日目持続硬膜外麻酔開始、ポート造設。疼痛は軽度となりPSは2へ改善、ADL拡大や在宅療養を希望された。よって自然抜去や転倒リスク軽減の為OTにて「体幹の過度な可動」を避けた起居動作指導,補助具導入、動作練習を実施。ADL拡大による疼痛悪化や自然抜去はなく在宅療養の為の指導も開始。主婦としての生活様式回帰の要望に対し、家屋評価と試験外泊で在宅生活特有の高リスクな動作を確認し,不安とリスクの軽減に努め入院52日目に自宅退院できた。退院22日後,脊椎転移と病的骨折による疼痛悪化で再入院.CTでカテーテルの抜去が確認され再度硬膜外麻酔鎮痛を開始し除痛を得て、再入院45日目にホスピスへ転院。
【考察】
本症例では、高い動作能力と生活復帰意欲があった為、硬膜外鎮痛法を選択し約2ヶ月間カテーテル管理が可能であり,在宅療養へ移行できた。OTのチーム参画により抜去リスクを軽減し得たのが大きな要因と考えられた。再入院時の自然抜去は骨折や硬膜外麻酔薬をレスキュー・フラッシュで頻回使用等によるものだと推察される。今回のような抜去リスク軽減だけでなく、骨転移症例のように「その人本来の生活動作による満足」と「動作制限によるQOL低下」とのバランスを検討する際、生活環境・動作についての情報や経験を持つOTは、がん疼痛治療において重要な役割を果たしうることが推測され、今後は多施設で複数の症例報告が望まれる。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:リハビリテーション

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