演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術中超音波検査により,子宮体がんの傍大動脈リンパ節郭清省略は可能となる

演題番号 : P91-15

[筆頭演者]
杉浦 敦:1 
[共同演者]
喜多 恒和:1、小宮 慎之介:1、大野 澄美玲:1、小川 憲二:1、石橋 理子:1、平野 仁嗣:1、河 元洋:1、豊田 進司:1、井谷 嘉男:1、梁 栄治:2

1:奈良県立奈良病 産婦人科、2:帝京大医学部附属病 産婦人科

 

[目的]子宮体がんにおいて、傍大動脈リンパ節(PAN)郭清の治療的意義は明確になっていない。またPAN郭清を省略する手法としては現在、術前・術中の様々なパラメーターを用いる方法や術中迅速病理検査を用いる方法、またセンチネルリンパ節を用いた方法等が検討されているが、明らかに有効なものは確立されていない。一方PAN郭清省略は、出血量増加・リンパ瘻・腸閉塞・下腿浮腫などの合併症を避けられるほか、手術時間の短縮が可能になるといったメリットも生じる。今回我々は術中超音波検査(エコー)を用いてPANサイズを測定することにより、転移を予測し、PAN郭清省略可能率を試算した。[方法]2010年8月~2013年3月の間、子宮体がんに対し患者の同意を得たうえで術中エコー(5mm以上腫大したリンパ節を転移陽性と判定)を施行し、さらにPAN郭清を行った33例を対象として、PANサイズと転移との関係を検討した。[結果]pT分類(FIGO 2008)はpT1a 24例、pT1b 3例、pT2 4例、pT3a 2例、組織型はendometrioid adenocarcinoma G1 13例、G2 15例、G3 5例であり、2例にPAN転移を認めた。術中エコーにて5mm以上のPAN腫大を認めた症例は11例あり、実際にPAN転移を認めた2例も含まれる。これらから、術中エコーの感度は100%、陰性的中率は100%、PAN郭清省略可能率は66.7%であった。PAN転移を認めた2例のうち1例はpT1a、G2であり、他の画像検査でPAN腫大を認めず腫瘍マーカーは陰性であった。また術中触診にてPAN腫大を認めなかったものの、術中エコーにて5mm以上のPAN腫大を検出した。[考察]子宮体がんにおいてセンチネルリンパ節同定によるリンパ節転移陰性的中率が100%との報告があるが、術中迅速病理検査での診断率は不確定であり、どこまでリンパ節郭清省略へ有用なツールとなるか判然としていない。また術前・術中に得られる種々のパラメーターを用いた場合のリンパ節転移陰性的中率は97%前後必要であるという報告があり、これらと比較すると症例数は少ないものの術中エコーはほぼ同等の陰性的中率を示す他、明らかにPAN郭清省略可能率は高いと考えられる。また術中エコーは非常に簡便な方法であり、RI・術中迅速病理検査を施行不可能な施設でも有用なツールとなる。以上より術中エコーは陰性的中率・省略可能率・簡便性等を考慮した場合、今後PAN郭清省略のための最も有意義な手法になると考える。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:手術療法

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