演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

広汎子宮頸部摘出術・術後化学療法後、自然妊娠・分娩に至った子宮頸癌の1例

演題番号 : P91-11

[筆頭演者]
花田 哲郎:1 
[共同演者]
門上 大祐:1、瀬尾 晃司:1、芝本 拓巳:1、出口 真理:1、隅野 朋子:1、山本 瑠美子:1、佛原 悠介:1、宮田 明未:1、小薗 祐喜:1、自見 倫敦:1、辻 なつき:1、寺川 耕市:1、永野 忠義:1

1:公益財団法人田附興風会医学研究所 北野病院 産婦人科

 

症例は31歳女性、1経妊0経産1人工流産、既往歴特になし.X年11月14日に,子宮頸癌FIGO Stage Ib1期(非角化扁平上皮癌,腫瘍径 20 mm)に対し腹式広汎子宮頸部摘出術(骨盤神経温存)を施行した.術中,1-0ナイロン糸を使用し子宮頸管縫縮術を施行することで,将来の妊娠時の早産予防とした.術後最終病理診断にて左子宮傍結合組織浸潤を認め,pT2bN0M0 と診断し,術後化学療法 PTX (175mg/m2) + CBDCA (AUC 6) を3コース施行した.以後再発なく経過し,X+4年6月(術後44ヵ月)に自然妊娠に至った.妊娠13週より入院管理とし,安静臥床を継続した.妊娠22週より子宮収縮が次第に増強したため,塩酸リトドリンを投与したが,児の発育には問題なく経過した.徐々に頸管長の短縮傾向を認め,X+5年1月16日(妊娠32週4日)に破水.同日緊急帝王切開術施行し,1822 g,Apgar score 8/9 の女児の娩出に至った.児は早産児としてNICUでの管理が必要ではあったが,明らかな異常所見は認めなかった.腹式広汎子宮頸部摘出術後に化学療法を施行し,自然妊娠から分娩に至った症例の報告は本邦初である.当院での広汎子宮頸部摘出術の適応条件は,特殊な組織型でないこと,外方性発育であり頸部間質への浸潤が浅いこと,リンパ節腫大の無いことを挙げているが,摘出標本の最終病理診断で追加治療の必要とする症例に出会うことがある.海外での報告では,広汎子宮頸部摘出術後のハイリスク症例には同時化学放射線療法が施行される場合が多い.放射線治療を施行すると,子宮や付属器を温存しても妊孕性は完全に失われてしまう.本症例のように術後追加治療に化学療法を選択することで妊孕性を確保できる可能性が示唆されたことは,極めて大きな意義があると考えられる.

キーワード

臓器別:子宮

手法別:手術療法

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