演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

局所進行子宮頸部粘液性腺癌における治療戦略

演題番号 : P91-5

[筆頭演者]
大亀 真一:1 
[共同演者]
小島 淳美:1、小西 晴久:1、白山 裕子:1、竹原 和宏:1、松元 隆:1、横山 隆:1、寺本 典弘:2、野河 孝充:1

1:四国がんセ 婦人科、2:四国がんセ 病理科

 

【はじめに】子宮頸部腺癌は,扁平上皮癌と比較して予後不良であるという報告もあるが,組織型による治療戦略の明確な提示はない.本邦の子宮頸部粘液性腺癌ではHPV感染率が欧米と比較して低く,HPV非関連腺癌では予後不良とする報告もあり,治療戦略の個別化がより必要となる可能性がある.【方法】2001年から2010年に治療を施行した子宮頸部浸潤癌666例中,根治的治療施行後2年以上の観察期間を有する,IB2期からIIIB期の粘液性腺癌40例を対象とした.局所制御率(LRC)と全生存率(OS)についてはKaplan-Meier法(log rank検定)を用いて解析した.初回治療前の生検検体を用いて,HPV感染例での過剰発現が報告されるp16INK4aについて免疫組織化学(IHC)的に追加検討を行った.【成績】主治療として,手術療法が19例(RH群; IB2期9例,IIA期3例,IIB期7例)に,放射線療法が21例(RT群;IB2期2例,IIA期5例,IIB期6例,IIIB期8例)に選択されていた.IIIB期では全例でRTが選択されていたため,IB2期からIIB期における検討を行った.年齢の中央値はRH群で50(38-65)歳,RT群で65(41-84)歳と有意差を認めたが, 治療前画像による腫瘍径およびリンパ節腫大症例数に有意差を認めなかった.放射線療法後の子宮摘出術例はなく,術後放射線療法は4例に施行された.2年LRCはRT群46.2%,RH群79.0%(p=0.03),3年OSはRT群52.8%,RH群77.7%であり(p=0.08),RH群で予後良好な傾向を認めた.p16INK4aIHCは50%以上の強陽性をカットオフとした場合,IB2期(n=11)では10例(91%)で陽性となった.RH群では14例(74%),RT群の5例(38%)で陽性と判定された.p16INK4a陽性例における2年LRCは,RT群60.0%,RH群100%(p=0.01),3年OSはRT群80.0%,RH群100%(p=0.05)であり,RH群で有意に予後良好であった.p16INK4a陰性例の2年LRCは,RT群37.5%,RH群20.0%,3年OSはRT群33.3%,RH群20.0%であった.IIIB期症例(n=8,全例RT)では,6例の遠隔転移例を含む全例で再発を認めた.【結論】子宮頸部粘液性腺癌IB2-IIB期では,手術療法群は放射線療法群に比して局所制御率,全生存率ともに予後良好な傾向であり,p16INK4a陽性例ではより顕著であった.局所進行子宮頸部粘液性腺癌では手術療法が有用であると考えられるが,単施設少数例の検討であり,多施設での検討がのぞまれる.

キーワード

臓器別:子宮

手法別:手術療法

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