演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

膵神経内分泌癌にeverolimusを使用した一例

演題番号 : P89-5

[筆頭演者]
古賀 英彬:1 
[共同演者]
江口 考明:1

1:大阪府済生会中津病院 消化器内科

 

【症例】70歳男性【主訴】なし【既往歴】2型糖尿病、高血圧【現病歴】2004年2月19日直腸癌に対して超低位前方切除術施行(stageIIIb)後、吻合部狭窄で当院外科外来フォローされていた。2011年2月2日術後フォローの造影CTでは膵に明らかな腫瘍性病変は認めなかった。2011年8月10日の造影CTで膵尾部に20mm大の腫瘍を認め精査加療となった。【経過】造影CTでは膵尾部に20mm大の脾動脈を巻き込んだ乏血性腫瘍あり、肝右葉後区域に数mm大の低吸収域を数個認めた。膵腫瘍はEOB-MRIでは造影効果に乏しく、T1WI low、T2WI high、DWIで拡散制限を認め、肝の低吸収域は造影早期相では不明瞭であったが、その他全相で低信号領域として描出された。PET-CTでは膵腫瘍はFDG異常集積を認めたが、肝の低吸収域はFDGの異常集積は認めなかった。以上より肝転移を否定できないが、腹部エコーでは肝の低吸収領域は嚢胞様の所見を呈していたこともあり、膵尾部癌T4,N0,M0,stageIVaと診断し、膵尾部切除、脾摘術を施行した。術中肝表に転移巣を認め肝S8部分切除も施行した。切除標本の組織学的所見は膵腫瘍、肝転移巣ともに腫瘍細胞がリボン状、索状に増生し、シナプトフィジン、クロモグラニン陽性で神経内分泌腫瘍と診断した。Ki67 Indexは40%以上で、P-NEC,pT2,ly2,v3,N0,M1,stageIVと診断した。WHO2010年分類上はP-NECであったが、細胞形態上分化がよく、細胞分裂数は10/10HPF程度で、SSTR2a陽性であったため、術後化学療法として2011年11月18日よりoctreotideを投与した。2011年12月13日効果判定のEOB-MRIで新たな肝転移巣の出現、肝転移巣の増大と多発骨転移を認めたため、octreotide LARとeverolimus併用を開始した。その後肝転移巣の緩徐な増大を認めているが、現在術後1年6か月で治療継続中である。【結語】全身化学療法はP-NECに十分な効果のある治療法ではない。細胞形態上分化のよいP-NECに対しeverolimusを使用し、腫瘍の増大を抑制し得た症例を経験したため報告する。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:分子標的治療

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