演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

エベロリムスにより5ヶ月間無増悪生存期間を得た膵原発非機能性神経内分泌癌の一例

演題番号 : P89-4

[筆頭演者]
向井 洋介:1 
[共同演者]
武田 裕:1、中平 伸:1、桂 宜輝:1、賀川 義規:1、沖代 格次:1、竹野 淳:1、向坂 英樹:1、谷口 博一:1、柄川 千代美:1、加藤 健志:1、田村 茂行:1

1:関西労災病院

 

【はじめに】エベロリムスは本邦でも2011年に膵神経内分泌腫瘍治療薬として効能追加承認され、患者の予後の改善が期待されているが報告例は少ない。今回膵原発神経内分泌癌に対してエベロリムスを投与した症例を経験したので報告する。【症例】55歳、女性。腹痛を主訴に近医受診。上部消化管内視鏡にて壁外性圧迫を認め、精査目的に当科紹介受診となった。画像検索にて、膵尾部を原発とし胃背側から骨盤底に及ぶ長径約30cm強の腫瘍、肝転移、傍大動脈リンパ節転移を認めた。腫瘍マーカーはCA125 613.6 U/ml、CA15-3 318.8 U/mlと上昇。経皮的針生検の結果、クロモグラニンA陽性、シナプトフィニジン陽性、Ki指数80-90%であった。画像診断と併せて膵原発神経内分泌癌と診断し、膵尾側切除、肝外側区域切除、リンパ節郭清、腹膜播種転移減量手術を施行した。術後2日目からソマトスタチンアナログ、更に術後32日目よりエベロリムス 10mg/dayを内服投与した。肺小細胞癌に準じた多剤化学療法は希望されなかった。エベロリムス内服開始時のCTで骨盤内腹膜播種、腹水貯留、傍大動脈リンパ節腫大、腸管膜リンパ節腫大を認めた。内服開始後5ヶ月間はSDを維持したが、5ヶ月後のCTで播種病変の増大を認めPDとなった。その後、TS-1内服、スニチニブを投与したが、腫瘍増大、全身状態の増悪を認め、手術から約9ヶ月後に死亡した。【考察】エベロリムスはNET G1/G2ではRADIANT-3国際共同第III相試験にて有意に無増悪期間を延長しており投与が推奨されているが、NECでは白金製剤をベースとした多剤併用化学療法が施行されることが多い。本症例ではNECに対してエベロリムスを投与し、5ヶ月間の無増悪生存期間を得た。エベロリムスのNECに対する腫瘍抑制効果が期待できるのではないかと考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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