演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

エベロリムス投与で腫瘍縮小を認めたp-NETの一例

演題番号 : P89-2

[筆頭演者]
塚原 智典:1 
[共同演者]
牛尾 晶:1、大泉 智史:1、鈴木 歩:1、久多良 徳彦:4、笹生 俊一:3、田口 雅海:2

1:八戸赤十字病院 消化器内科 、2:八戸赤十字病院 放射線科、3:八戸赤十字病院 検査技術科、4:岩手医科大学病院 消化器・肝臓内科

 

【症例】50歳代、女性【主訴】背部痛【既往歴】特記事項はなし【現病歴】平成23年1月より背部痛を訴え、近医受診。NSAIDsにて加療したが症状の改善なく、CT検査にて膵腫大、肝に多発する腫瘤性病変を認め当科紹介、入院となった。【現症】腹部は平坦、軟で背部痛と血圧高値を認めた。【検査所見】採血では胆道系酵素異常を認め、造影CTで膵全体の腫大、多発肝腫瘍を認めた。腫瘍は膵、肝共に動脈相にて濃染された。MRCPは胆管狭窄、主膵管拡張はなく、腹部血管造影はSMVに陰影欠損を認めた。以上から多血性膵腫瘍と転移性肝癌と診断し、質的診断目的で肝腫瘍部より腫瘍生検を行った。【病理結果】類円形の核を有する均一な形態を呈す腫瘍細胞の増殖を認め、免疫染色でchromogranin A、synaptophysin陽性であり膵神経内分泌腫瘍(p-NET)であった。またMIB-1 index 10.0%、ホルモン染色は陰性でp-NET G2と診断した。【治療経過】当時有効な抗癌剤はなく、十分なInformed Consentのもとストレプトゾシン1000mg/body/隔週、オクトレオチド20mg/body/month投与を行ったが、投与6ヶ月後より腫瘍増大、胸腹水を認めたためエベロリムス投与を開始した。投与後、1ヶ月で胸腹水は消失、3ヶ月で転移巣、原発巣の縮小も認め現在腫瘍増大等なく経過している。また投与に際し重篤な有害事象は認めていない。【考察・結語】エベロリムスは、2011年12月に膵NETに対し保険収載された。本剤はmTOR活性を阻害することで細胞分裂、増殖を抑制し抗腫瘍効果を発揮し、RADIANT-3 study ではPFS(無増悪生存期間)を有意に延長させ、腫瘍縮小効果は約65%であったが、RECISTによる奏功率(CR+PR)は約5%と低い結果であった。本症例はエベロリムス投与によりPRが得られた貴重な症例であった。今後、長期経過観察を行いながらエベロリムスによる腫瘍縮小効果を検証していく必要が考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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