演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

エベロリムスが奏功した膵神経内分泌腫瘍肝転移の1例

演題番号 : P89-1

[筆頭演者]
上田 真:1 
[共同演者]
八幡 浩信:1

1:沖縄県立中部病院 外科

 

【はじめに】膵神経内分泌腫瘍は治癒切除ができても肝転移することがしばしばある.肝切除術やラジオ波焼灼療法は有効ではあるが再再発することが多い.近年エベロリムスが膵内分泌腫瘍に使用できるようになった.【症例】51才男性.既往歴 数ヵ月前糖尿病発症.47才膵尾部に7cm大の膵内分泌腫瘍が発見された.術前血清グルカゴン410pg/mlと高値であった.膵体尾部切除術,脾・左副腎・横行結腸合併切除により治癒切除が得られた.【病理】高分化膵内分泌癌(WHO,2004),脾浸潤,リンパ節転移なし.免疫染色: Chromogranin(+), Synaptophysin(+), CD56(+), NSE(+), gastrin(-), ACTH(-), serotonin(-), glucagon(+), insulin(+), somatostatin(+), Ki-67 3% glucagon陽性細胞が最も多かった.【経過】11ヵ月後に肝転移が発生し4ヵ所切除した.2年3ヵ月間に4回肝切除術を施行した.さらに1年後に肝転移と左腎静脈前に10mmの腫瘤が出現した.エベロリムスを開始したところ,肝腫瘍はCTにて消失した.左腎静脈の腫瘤は縮小した.11ヵ月間部分寛解(CR)が得られた.有害事象はエベロリムス開始後Grage1の口内炎と全身倦怠感があったが,対症療法を行い3ヵ月後には軽快した.以後有害事象なくエベロリムスを継続している.【考察】エベロリムスは経口のmTORを標的とする阻害剤である.進行膵神経内分泌腫瘍に対するエベロリムスの第3相試験では無増悪生存期間の中央値は11ヵ月,対象は4.6ヶ月,ハザード率は0.35であった.18ヵ月の無増悪生存率はエベロリムスでは34%に対し,対照群は9%であった.有害事象は殆どがGrade1か2で,Grade3と4の有害事象は6%であった.【まとめ】エベロリムスの使用により長期の無増悪生存を得た膵内分泌腫瘍の肝転移の症例を経験した.エベロリムスの有害事象は軽度であった.

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:分子標的治療

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